グリー株式会社のゲームサービスのインフラアーキテクチャ
アーキテクチャの工夫ポイント
アーキテクチャ選択の背景や意図
ゲームサービスのクラウドアーキテクチャとして重要な点は、急激な高負荷に対してスケールできることと、サービスのメンテナンス時間を不要にできることの2点でした。そのため、Google Kubernetes EngineとCloud Spannerを主軸に置いた構成となっています。特に、書き込み・読み込みの性能のスケールができ、クラウド側都合によるメンテナンスが不要な構成を取っています。
また、他のクラウド環境などでも利用する機能は外部SaaSを活用しており、Grafana CloudおよびDatadog APMを活用して日々のモニタリング・トラブルシュートを行っています。
現在の課題と今後の改善予定
スケール性能や費用の面で改善を検討しています。GKEでカスタム コンピューティング クラスを利用し、複数のインスタンスタイプを利用しながらSpotインスタンスを活用していく予定です。また、スケール性能をより高めるために、GKEのイメージ ストリーミングも検討していますが、ゲーム特有の必要なマスタデータなどが多くうまく活用できない課題があり、今後引き続き試行錯誤する予定です。
また、ゲームタイトルごとに独立したシステムになっていますが、TerraformやKubernetes マニフェストといった各コンポーネントの再利用性を高める方法を模索しています。
◆執筆:後藤 浩行
グリー株式会社 開発本部 インフラストラクチャ部 サービスエンジニアリンググループ シニアマネージャー
【公式サイト】
https://corp.gree.net/jp/ja/
アーキテクチャを構成するツール
監視・オブザーバビリティ
Datadog
監視・オブザーバビリティ
Grafana
Cloud DNS
インフラ
Cloud Storage
インフラ
Cloud Logging
データベース
Cloud Spanner
CI/CD
ArgoCD
会社情報
グリー株式会社
グリー株式会社は「インターネットを通じて、世界をより良くする。」というミッションを掲げ、2004年に創業しました。世界初のモバイルソーシャルゲーム「釣り★スタ」を2007年にリリースするなど、日本のモバイルインターネットサービスを牽引してきました。現在はゲーム・アニメ事業を中心に複数の事業を展開し、昨日よりも今日、今日よりも明日を豊かにしていくためのサービスを作っていくことを目指しています。