Azure OpenAIのLLMを利用した「条文修正アシスト」のアーキテクチャ

アーキテクチャの工夫ポイント
当社は「法とテクノロジーの力で、安心して前進できる社会を創る。」というパーパスを掲げ、法務知見とAI技術などの最新テクノロジーを組み合わせたサービスを展開するグローバルカンパニーです。
日本と米国に拠点を置き、法務業務を全方位でカバーするAI法務プラットフォーム「LegalOn Cloud」や、グローバル向けAI契約レビューサービス「LegalOn Global」などを提供しており、グローバルにおけるリーガルテックサービスの有償導入社数は7,000社を突破しています。(2025年3月末現在)
2025年1月からはコーポレート領域を支援するAIカウンセル「CorporateOn」を提供開始し、あらゆる社会課題の解決に向けて事業を推進しています。
アーキテクチャ選定の背景・意図、今後の展望
私たちは生成AIが登場する以前から契約書をレビューするAIを提供してきましたが、生成AIの登場と急速な進化に対して、遅れをとらないように、感度高く対応をしてきました。
2022年11月のChatGPTリリースを皮切りにLLMは爆発的な注目を集める中、私たちはすぐに社内でプロジェクトを立ち上げ、半年後の2023年5月にはAzure OpenAIのLLMを利用した初の機能「条文修正アシスト」をリリースしました。
https://www.legalon-cloud.com/news/13
機能リリースに向けてLLMを選定する際、契約書という機密情報を扱うため、セキュリティとサポート体制を重視しました。Azure OpenAIはこれらの要件を満たす信頼性の高いプラットフォームであり、採用を決定しました。
セキュリティを担保しつつ、ユーザーに使いやすいプロンプト設計に注力し、大量のデータを学習させることでAIの精度を高める工夫を凝らしました。お客様に安心してご利用いただくために、迅速かつ素晴らしい選択ができたと考えています。
またその後も、多くのLLM関連機能をAzure OpenAIを活用してリリースしています。
運用面では、専門的な契約書レビューに対応するため、多様な契約類型に対応できるプロンプトを作成し、実際の法務担当者からのフィードバックに基づき継続的に改善しました。リリース前には、実際の契約書を用いた厳密なテストと検証を繰り返し、利用者のフィードバックを基にUI/UXの改善を重ねました。生成AIを活用したことで、契約書レビュー時間の短縮、レビュー品質の向上に貢献し、法務担当者の業務効率化、顧客満足度の向上に繋がっています。
生成AIの登場により、ソフトウェアの世界は大きく変化しました。進化の速度は非常に速く、常に最新技術を取り入れる必要があります。生成AIを前提とし、さらなる精度向上、多言語対応、他の法務領域への展開など、様々な課題に対し、どのようなソリューションをお客様に提供できるのかを全員で考え開発を行う必要があります。これは、従来の常識とは全く異なる製品開発を意味します。
私たちは、数年前には想像もできなかった製品を生み出す可能性に胸を躍らせ、刺激的な日々を過ごしています。今後は、生成AIを活用した契約書レビューの自動化、法務業務全体の効率化を目指し、世界中の法務を変える製品を提供できるよう、努力してまいります。
◆執筆:レビューインテリジェンスAG Lead of Contract Review AI 井上慎太郎 Wantedly / LinkedIn
会社情報

株式会社LegalOn Technologies
当社は「法とテクノロジーの力で、安心して前進できる社会を創る。」というパーパスを掲げ、法務知見とAI技術などの最新テクノロジーを組み合わせたサービスを展開するグローバルカンパニーです。