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ソラコムのインフラアーキテクチャ

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ソラコムのインフラアーキテクチャ

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アーキテクチャの工夫ポイント

ソラコムは、世界180以上の国や地域で使えるIoT 通信プラットフォームを提供しています。創業当初からグローバル展開を目指しており、AWS をベースに設計しています。グローバルへの展開には世界のさまざまな通信キャリアとの接続が必要ですが、世界の主要国にリージョンを持つAWS 上で稼働しているため、非常に迅速にグローバル展開を行うことができます。

SORACOM の通信インフラは、パケット転送や帯域制御などの通信を司る『Polaris』と、セッション管理や認証、課金などのバックエンド処理を行う『Dipper』で構成されています。またこれらサービス群は監視システムの『Hubble』で監視し、異常時には自動復旧を行う運用としています。
特徴的なのは、通信部分を司るPolaris をステートレスになるよう設計し、障害発生時のフェイルオーバーを容易にしている点です。またステートを管理するDipper のデータストアには Amazon DynamoDB を利用しており、高い冗長性/堅牢性と低運用コストのメリットを享受しています。 SORACOM のシステムは自社のエンジニアで設計・実装・運用を行っており、IT の新しいサービスや技術を取り込みながら、通信レイヤーとアプリケーションレイヤーにまたがったユニークなサービスの開発を、迅速に行うことを可能にしています。

現在の課題と今後の改善予定

SORACOM を大規模に利用されるお客様も増加しており、新しい機能追加やサービス開発を行いながら、安定して使っていただける取り組みを進める必要があります。向こう数年で現在の回線数が2 倍から3 倍になることを見据えて、アーキテクチャレベル/各コンポーネントレベルでの改善を進めています。2024 年7 月に SOC2 Type1 レポートを受領しましたが、Type2 レポート受領のため、開発運用の効率化や自動化をより推し進める取り組みを行っています。

また、ローコードIoT アプリケーションビルダー「 SORACOM Flux」など、生成AI を使ったいくつかのサービスをお客様向けに提供をしていますが、生成AI はプラットフォーム運用の効率化や自動化にも活用できる可能性があるため、社内での調査やPoC を行っています。

◆執筆:株式会社ソラコム 上級執行役員 Chief Engineering Officer 片山 暁雄
X:@c9katayama, GitHub : @c9katayama

アーキテクチャを構成するツール

会社情報

株式会社ソラコム

株式会社ソラコム

IoTプラットフォームSORACOMを通じてIoT通信とインターネットに「つなぐ」システム構築に必要なサービスを提供しています。SORACOMの利用で、少ない初期費用でIoT活用のアイデアをスピーディに実現でき、20,000超の様々な業界・規模のお客さまがビジネスの進化に利活用しています。