リンクアンドモチベーションでのDevin導入レビュー:Slack起点で改善を回す自律型AIの活用
株式会社リンクアンドモチベーション / 中上裕基
テックリード / テックリード / 従業員規模: 5,001名以上 / エンジニア組織: 51名〜100名
| 利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
|---|---|---|---|
Teamプラン | 51名〜100名 | 2025年4月 | B to B |
| 利用プラン | Teamプラン |
|---|---|
| ツールの利用規模 | 51名〜100名 |
| ツールの利用開始時期 | 2025年4月 |
| 事業形態 | B to B |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
弊社では生成AI活用を進める中で、Claude Code / Cursor などのツールも含めて広く検討しており、最も開発生産性を高められるツールを選定したいと考えていました。
比較検討したサービス
- Cursor
- Claude Code/Claude Code GitHub Actions
- Codex
選定理由
決め手になったポイント
結論から言うと、Devinの決め手は「実装能力の高さ」そのものよりも、業務に溶け込む“体験”の良さでした。
コアとなる開発業務を任せるなら Claude Code / Cursor など「ローカルで動かすAIエージェント」の方が適していると判断しました。
一方でDevinに魅力を感じたのは、仕様調査や軽微な修正ならかなり自律的に進めてくれる自走力と、エンジニア以外でも利用しやすい体験設計の良さです。
その用途に特化してDevinを導入しました。
- プランニング能力が高く、気軽に投げても自律的に進めてくれる
Devinは、単にコードを書くというよりも、タスクの意図を汲み取って調査・計画を立て、必要な情報を集めながら自律的に進めてくれる印象があります。
特にDeep Wiki等によってリポジトリ内の情報を把握する能力が高く、こちらが細かくチューニングしなくても有用な調査・提案やPR作成まで到達できる場面が多いのが魅力でした。
- Slack起点で使える体験設計が優れており、エンジニア以外でも使いやすい
DevinはSlackから依頼でき、そのままスレッド上で指示の追加や軌道修正ができます。開発ツールを新しく導入している感覚が少なく、普段のコミュニケーションの延長で利用できます。
結果として、エンジニアだけでなくエンジニア以外でも「とりあえず依頼してみる」が成立しやすく、文言修正や設定変更などの軽微なタスクを前に進めるハードルが大きく下がりました。
これらが揃うことで、Devinは「開発者の能力を増幅するツール」というより、仕事を始める摩擦を下げ前へ進めるプロセスの部品として機能すると感じています。
導入の成果
- 「後回しになっていた仕事」が自然に前に進むようになった
軽微な修正や自動化などの改善活動といった、緊急度は低いがやるべきタスクが滞留しにくくなりました。 「エンジニアの時間が空いたらやる」ではなく、「Slackで投げればPRが出てくる」という選択肢ができたことで、改善活動が継続的に回る状態に近づきました。
- 仕様・ルールの明文化が進み、知識の属人化が減り始めた
Devinに聞ける状態を作るために、仕様や判断基準をGitHubに寄せる動きが強まりました。 結果として、Devinのためだけでなく、人間同士でも参照しやすいドキュメントやルールが整備されるようになり、知識の民主化が進んでいます。
- 「まず投げてみる」という気軽にAIを試す文化が生まれた
DevinはSlackからすぐ依頼できるため、「うまくいくか分からないけど、とりあえず試したい」と思ったタイミングで、低コストに試せるようになりました。 アウトプットがそのまま使えなくても、調査結果や提案を見て思考が進み、次の打ち手が見えるケースも多く、結果として改善や意思決定のスピードが上がったと感じています。
導入時の苦労・悩み
- 自律性が高いがゆえに、やりすぎてしまうことがある
例えば簡単なLintルール追加のつもりが、複数ライブラリを導入した大掛かりな実装になってしまったことがありました。前提のすり合わせが甘いと、間違った方向にも全力で進んでしまいます。
- 複雑な実装ではやりとりのコストが増える
複雑な機能を実装しようとするほどDevinとのやりとりが増え、リモート実行ゆえのレスポンスの遅さや長いセッションによる文脈崩れがボトルネックになりました。 そのため現在は、コアとなる開発業務は他ツールに任せ、用途を明確に切り分けています。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
はじめは比較/検証目的で導入したので、「比較が目的です」という前提で説明しました。 導入後はすでに具体的に活用されていたため、特に説明は必要なく継続的な導入が決まりました。
活用方法
よく使う機能
・ デザインレビュー
FigmaのスクショやURLを渡すと、GitHub リポジトリ内のドキュメントを参照してデザインレビューをしてくれます。 そのままデザインについても相談することができるので、デザイナー中心に活用されています。
・ デザインルールの整備
デザインレビューの最後に「今回得たナレッジを保存しますか?」と質問するように設定しており、承認するとナレッジをまとめてPR作成してくれます。 暗黙知を形式化するのは結構大変なんですが、そのステップをサポートしてくれるのは非常に助かりますし、溜まったナレッジによってデザインレビューをより進化させることができます。
・ アカウント管理の自動化
AWSなどのユーザーをTerraformで管理しており、その修正をDevinに任せてPRレビューベースの運用を行っています。 Slack Workflowでフォームを用意し依頼内容を定型文として投稿できるようにしているため、誰もが安定してPRを作成できるようになりtoilを削減できました。
・ 軽微な修正/改善
Slack上で相談して出たタスク(GitHub Actionsの改善やLintのカスタムルール追加など)を、そのままDevinに投げるだけで修正できます。 文言やURLの修正くらいであれば、エンジニア以外でもPRを出してくれることもあります。
ツールの良い点
- 普段使っているSlackで人に依頼する感覚でDevinに依頼できるため、エンジニア以外でも自然に使える
- プランニング能力が高く、タスクの意図を汲み取って調査・計画しながら自律的に進めてくれる
- 複数リポジトリをまたいだ調査ができるため、影響範囲確認の効率が非常に高い
- GitHubに仕様やルールを集約する動機になり、as Code化や知識の民主化を進める後押しにもなる
ツールの課題点
- 曖昧な指示や複雑な実装では期待通りに進まないことがある
- リモート実行のため、ローカルで動かすAIエージェントと比較すると待ち時間が長いと感じる場面が多い
- ACU(Action Cost Unit)を利用者全員で共有することになるため、利用が偏ったりするとコスト管理が難しい可能性はある
ツールを検討されている方へ
Devinは自律性が高く、Slackから気軽に使える体験の良さが魅力なので、そういった強みが活かしやすい方にはとてもお勧めできます。 一方で、大きく長めの実装タスクなら他のツールの方が向くこともあります。 Devinにすべてを任せるのではなく、他のAIツールと組み合わせる前提で導入されるのが良さそうです。
株式会社リンクアンドモチベーション / 中上裕基
テックリード / テックリード / 従業員規模: 5,001名以上 / エンジニア組織: 51名〜100名
よく見られているレビュー
株式会社リンクアンドモチベーション / 中上裕基
テックリード / テックリード / 従業員規模: 5,001名以上 / エンジニア組織: 51名〜100名


