株式会社AwarefyのSnowflake導入事例
株式会社Awarefy / Takahiro Ikeuchi
CTO・VPoE / CTO / 従業員規模: 11名〜50名 / エンジニア組織: 10名以下
ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
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11名〜50名 | 2023年9月 | B to C |
ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
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ツールの利用開始時期 | 2023年9月 |
事業形態 | B to C |
アーキテクチャ
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
Awarefy(アウェアファイ) は、「心の健康と成長を支えるデジタル・メンタル・プラットフォームを実現する」をミッションに、「毎日に寄りそい 気づきを増やす」をコンセプトとする、「AI メンタルパートナー アウェアファイ」 の開発を行っているスタートアップです。
アウェアファイを運用するなかで、さまざまなデータを取り扱っていますが、プロダクトの改善のためのデータ分析の観点で、特に重要なデータとして次のようなものがあります。
- アプリ内データ(AI関連機能、その他機能全般の利用状況の分析に利用)
- Google Analytics のデータ(行動ログの分析に利用)
- RevenueCat のデータ(売上、サブスクリプションの利用状況の分析に利用)
Snowflake の導入以前は、これらのデータが統合されておらず、かつ、データ分析チームが利用しやすい分析環境も整えられておらず、データベース管理者やエンジニアが稼働しつつ、最低限必要なダッシュボードの構築やアドホック分析を行っている状況でした。
どのような状態を目指していたか
データ分析環境の抜本的な改善として、以下を理想の姿と定め、「モダン・データスタックによる分析環境構築プロジェクト」を遂行しました。
- すべてのデータが統合された DWH がある状態
- 各チームが、セルフサービスで必要なデータ分析を行える状態
- 分析の実行・具体的には SQL の実行がストレスのなく行えるパフォーマンスが確保できている状態
- セキュリティを担保し、個人情報の取りあつかいに配慮できている状態
比較検討したサービス
- Amazon Redshift
- Databricks
- BigQuery
- Azure Synapse Analytics
比較した軸
- データ連係が容易に行えるかという点
- 社内向けダッシュボードが構築できるか、容易に構築できるかという点
- 価格
- パフォーマンス
- セキュリティ
選定理由
Snowflake の Web管理画面である Snowsight の使い勝手が良かったこと、価格とパフォーマンスのバランスなどを総合的に判断し、決定しました。
Data Ingestion ツールである Airbyte を合わせて導入したのですが、Airbyte との連携がスムーズに行えた点も決め手になりました。
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
主要な課題解決を行うことができました。
プロジェクトの理想状態と定めた項目のうち、Google Analytics の統合という点は実現できておらず、課題としては残っています。
どのような成果が得られたか
- プロダクトの進化にあわせて柔軟に運用できるデータ分析基盤を構築できた
- 全社で KPI をモニタリングするためのダッシュボードが構築できた
- アドホック分析を快適に行える環境が構築できた
導入時の苦労・悩み
まず、スタートアップのアーリーフェーズに適したコストパフォーマンスを考慮することと、将来のスケールに備えるということの両立を実現する必要がありました。
これまでのキャリアの中で、データウェアハウス(DWH)やデータ分析基盤の構築経験は保有していたのですが(2011年〜)、過去の時点からは技術スタックが大きく進化している部分が多く、モダン・データスタックについて学び直しをしながら計画を建てていた、というところも苦労した点です。
アウェアファイはクラウドインフラに Amazon Web Service(AWS)を採用しているのですが、選定当時、Amazon Aurora PostgreSQL に Zero ETL-Integration の機能が無かったことから、AWS のプライベートサブネット領域にあるデータベースから、どのように DWH にデータを連携するか、という部分が最大の関心事になっており、解決にコストを割いた点でもありました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
おもなステークホルダーは、CEOおよびデータ分析を行うマーケティングチームでした。現状の課題を解決するためには、いずれの手段・ツールをとる場合にも一定の費用が発生する旨を説明し、コストパフォーマンスを見つつも実効性を重視するという方向で社内の合意形成を行いました。
マーケティングチームからは、ユーザー目線での使用感を確認し、運用のイメージが付くかどうかのフィードバックを得ていました。
活用方法
プロダクトチームが毎日、デイリーミーティング(いわゆる朝会)で KPI を確認するためにダッシュボードにアクセスしています。
施策の効果検証、特定の仮説検証のためのアドホック分析を、プロダクトチーム、マーケティングチーム、経営チームが随時行っています。
よく使う機能
- DWH としての基本機能
- ダッシュボード機能
ツールの良い点
- コンピューティングリソース単位の課金のため、コスト管理の面で安心感があること
- 安定した性能で動作すること
- ダッシュボードの構成がシンプルで使いやすいこと
ツールの課題点
- ダッシュボードにおけるデータの可視化機能は簡易的なものにとどまっており、BI ツール相当のものを期待すると、マッチしないこと
ツールを検討されている方へ
DWH の構築にあたり、Data Ingestion(ETL、ELT など含む)が関心事になると考えられます。Snowflake はData Ingestion ツールをはじめとする外部のツールとインテグレーションが行いやすい立ち位置にあると思われます。
今後の展望
アウェアファイでは、AIの活用も含めた、より効果的なデータ分析基盤へ進化させていきたいと考えています。Snowflake と生成系AIサービスの統合が今後広がっていくことを期待しています。
株式会社Awarefy / Takahiro Ikeuchi
CTO・VPoE / CTO / 従業員規模: 11名〜50名 / エンジニア組織: 10名以下
ITベンチャー数社を経て、2011年に株式会社ALBERTへ入社。2015年に執行役員として東証マザーズへのIPOを経験。同年起業したスタートアップにてB2B SaaSプロダクトを複数開発。2019年より現職。AIメンタルパートナー「アウェアファイ」の開発・事業責任者として、2020年5月にプロダクトをローンチ。 インフラ、バックエンド、フロントエンド、UI デザインまで幅広くカバーするプロダクト・エンジニア。Go や Flutter、React などを得意とし、OSS関係のコミュニティの立ち上げや運営にも関わる。著書に、『改訂版 Pythonユーザのための Jupyter[実践]入門』など
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