GMOペパボのインフラアーキテクチャ
アーキテクチャの工夫ポイント
アーキテクチャ設計の背景・意図
GMOペパボでは、長年にわたりデータセンターでのオンプレミスサーバー運用を通じて蓄積した知見を活かし、独自のプライベートクラウド基盤を構築しています。この基盤上に、内製ツールを用いてKubernetesクラスタを自動プロビジョニングする仕組みを実装し、アプリケーションデリバリーの高速化を実現しました。現在、社内の多くのシステムがこのKubernetes環境で稼働しており、AI関連サービス(DifyやAI Slack bot)も同環境で運用しています。Self-hosted Sentry や Grafana Labs のプロダクトに関しても、Kubernetes で自律的に運用できるため、これらのツールにおいても運用負荷を増やすことなく価値を提供することが可能となっています。
◆なぜそのツールを選択したのか
オブザーバビリティツールとして、用途に応じてDatadogとGrafana Labs が開発する Grafana, Loki, Tempo といった OSSツール群を使い分けています。各サービスの本番環境ではDatadogをメインに採用し、データの統合による恩恵を受けています。一方、高トラフィックであり Datadog をヘビーに活用するとコストがかかりすぎてしまうようなサービスに対し、Self-hosted Sentry を提供し、社内で使用する Bot や運用ツールなどには OSSツール群を Kubernetes クラスタ上でアドオンとして提供しています。用途別にツールを使い分けることにより、すべてのシステムに対し可観測性を高めるアプローチを取ることが可能となっています。
◆実際にどのように運用をしているのか
内製プロビジョニングツールにより、各KubernetesクラスタにはデフォルトでOSSの監視ツール群がデプロイされます。これらツールのバージョンアップや障害対応は、Kubernetes に専門性を持つ有志で集まった「k8s-chapter」が主体となって実施しています。所属組織に依存しない運用体制を構築することにより、知見の共有やツールの開発などによる、レバレッジの効いた運用を実現しています。
◆ご執筆者のご情報
- お名前: 高橋 拓也
- 役職: プリンシパルエンジニア
- 所属: GMOペパボ株式会社 技術部 技術基盤グループ
- X(旧Twitter)アカウント名:@takutaka1220
アーキテクチャを構成するツール
会社情報

GMOペパボ株式会社
従業員規模 301名〜500名
エンジニア組織規模 101名〜300名
GMOペパボは、企業理念「もっとおもしろくできる」と、ミッション「人類のアウトプットを増やす」のもと、レンタルサーバー「ロリポップ! byGMOペパボ」やECサイト構築サービス「カラーミーショップ byGMOペパボ」、ハンドメイドマーケット「minne byGMOペパボ」、お問い合わせ対応AI導入支援サービス「GMO即レスAI」、配信画面デザインサービス「Alive Studio byGMOペパボ」などの自己表現を支えるインターネットインフラの提供を通じ、クリエイター・エコノミーの促進に取り組んでいます。




