レコチョクのAutify導入事例紹介
株式会社レコチョク / yasufumi-kiyosaki_reco
テックリード / QAエンジニア / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 51名〜100名
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
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Autify for Web Advancedプラン | 11名〜50名 | 2020年1月 | B to B B to C |
利用プラン | Autify for Web Advancedプラン |
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ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
ツールの利用開始時期 | 2020年1月 |
事業形態 | B to B B to C |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
Seleniumを使用したWebサイトの自動テストを検討しましたが、テスト自動化の環境構築や保守運用を行う人材、ならびにメンテナンスに必要なリソースとコストを考慮すると、弊社の体制では運用に乗せることが難しいと判断し、一旦諦めました。
しかし、Autifyに出会ったことで、自動テストを導入するためにSET(Software Engineer in Test)の体制を立ち上げることなく、QA(Quality Assurance)チームが導入して推進できる見込みが立ちました。
比較検討したサービス
- Selenium IDE
- 2019年当時は、現在のように比較検討するノーコード・ローコードのツールは少なく、OSSが中心でした。
比較した軸
- シナリオ作成の容易さとメンテナンスコスト
- 実行スピードが安定しているか
- テスト失敗時の確認と修正リトライが容易であるか
選定理由
トライアルでPoCを行い以下メリットを感じました。
テスト対象を「クリック操作」でスクリーンショットとともにテスト実行ステップを記録する操作手順は、直感的で使い勝手が良いと感じました。
UI要素の個々にロケーターを探す手間がなく、自動で取得してくれる点が非常に便利です。 ステップの挿入や差し替えもマウス操作で自由に行えるため、コードが書けない方でも低いハードルで利用できると感じました。
実行スピードも手動に比べて約4分の1の時間で完了するため、リリースまでの期間を短縮できることが期待されます。
また、並行実行が可能なので、クロスブラウザでのテスト実行に大きなメリットがあると考えられます。
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
- エンハンス開発のたびに、同じリグレッションテスト(回帰テスト)をQAのテスターが手動で毎回実行していました。開発終盤では時間的制約によりテストを省略することもありましたが、ツール導入後は気にする必要がなくなりました。
- 開発終了後のスモークテスト(基本的な正常確認)を開発を担当したエンジニアが手動で毎回実施していましたが、ツールを利用するようになり、負担が軽減されました。
どのような成果が得られたか
- 実行担当者のリソースを気にすることなく、繰り返しテストを実施できるようになりました。
- テスト実行時間が短縮されました。(手動実行と比較して約4分の1程度)
- テスト実行回数が向上し、テスト通過率を指標とすることでプロダクトの状態を可視化できるようになりました。
導入時の苦労・悩み
テスト失敗時はどのステップでエラーが発生したのか確認が可能ですが、場合によっては直前のステップまで遡る必要があり、慣れるまでは時間がかかりました。
用意されているコマンドだけでは対応できないステップもありますが、その場合はJSステップ(JavaScript)を使用することで対応できる範囲が広がります。 しかし、コードを書けない担当者に対して、この部分のサポートに苦労しました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
テスト実行工数の比較
- 手動で実行した場合の工数と自動で実行した場合の工数を試算
保守担当者コスト
- テスト実行環境の保守およびシナリオを維持管理するためのメンテナンス工数を試算
シナリオ作成(自動テスト作成)コスト
- テスト設計〜実装に加え、自動テストのシナリオ作成が必要になりますが、繰り返し実行することで投資対効果が得られる点を試算
活用方法
- リグレッションテスト
- アプリケーションの新機能追加や改修後に、既存機能へ影響を与えていないことを確認しています。
- クロスブラウザテスト
- 新機能や修正後のアプリケーションが複数の環境で互換性があるかを確認します。
- デイリー実行
- 修正を加えていない場合でも、外部のサービスやOSSのバージョンアップが依存関係に与える影響がないかを確認するために毎日実施します。
よく使う機能
- テストプランの定期実行
- CI/CD連携のトリガー以外でも実行したい場合は、定期実行を利用しています。
- ステップグループ
- 使い回すステップやUIは、ステップグループでまとめています。
- JS ステップ
- テスト対象の入力に対して複数の出力結果が起こるUI操作などで利用しています。
- メールテスト機能
- 新規会員登録後のメール認証と連携で利用しています。
- 外部ツール連携(Slack連携)
- 成否確認のために利用しており、テスト対象ごとに通知先を変更しています。
- テスト結果のビデオログ
- 実行失敗時の原因切り分けに活用しています。
ツールの良い点
直感的に使える
- プログラミングの知識を持つ技術者を抱える必要がなく、簡単なオンボーディングで一般的なビジネスユーザでも利用できる導入障壁の低さがあります。
チャットボットによるカスタマーサポート
- 日本語で気軽に問い合わせが可能で、安心して利用できます。対応レスポンスも早くて良いです。
ツールの課題点
- 条件分岐の対応
- IF文などの条件分岐を利用したい場合は、JSステップを使用しなければなりません。これが弊社の体制では運用していくうえでシナリオの属人化の要因となる可能性があるため、ノーコードで完結できると非常に助かります。(投稿日/更新日時点)
ツールを検討されている方へ
自動テストツール導入の目的が「コスト削減」や「人手が少ないため自動化したい」という理由だけである場合、注意が必要です。自動テストツールを導入しただけで目的を達成するのは困難です。自動テストツールを安定して繰り返し実行し続けることが重要なポイントとなります。
Autifyは、保守から運用までを考慮して作られたツールですが、うまく活用するためには導入後の保守を見据えて、ツールがプロダクト開発プロセスや運用体制にマッチするかどうかを見極めることが大切です。
特に「メンテナンスや修正の頻度」、「属人化の防止」、「自動テストの適用範囲」などを意識して検討すると良いでしょう。
株式会社レコチョク / yasufumi-kiyosaki_reco
テックリード / QAエンジニア / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 51名〜100名
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