BigQueryで実現するGA4移行後のデータ活用:eヘルスケアの新たな価値創出
株式会社eヘルスケア / KON-ch
メンバー / バックエンドエンジニア / 従業員規模: 11名〜50名 / エンジニア組織: 10名以下
ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 |
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10名以下 | 2023年1月 |
ツールの利用規模 | 10名以下 |
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ツールの利用開始時期 | 2023年1月 |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
eヘルスケア病院なびチームでは、アーキテクチャを選定する際には、処理の正確さを最も重視しました。GA4の複雑なデータ構造を扱うためには、データ処理が確実かつ効率的であることが不可欠であり、通知機能や依存関係の管理が可能な仕組みを導入することで、データフローの信頼性を確保しました。
また、データの活用をエンジニアに依存せず、誰でも簡単に閲覧できる環境を構築することも重要なポイントでした。この目的を達成するために、Looker Studioなどの可視化ツールを活用し、非エンジニアでも直感的にデータを確認できる仕組みを整えました。これにより、チーム全体でのデータ活用が進み、意思決定のスピードを向上させることが可能となりました。
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
UAからGA4への移行に伴い、扱う情報量が増加していた。従来はETL方式(Extract/Transform/Load)でデータを収集していたが、ELT方式(Extract/Load/Transform)への移行により、利用者間で指標の定義にずれが生じることを防ぎたかった。 さらに、多様な分析ニーズに対応するため、クレンジング済みデータを事前に準備しておける環境の構築が求められていた。
どのような状態を目指していたか
GA4移行後の増加した情報量に対応しながら、データの信頼性と一貫性を確保することを目指していた。また、指標の定義が利用者間で統一されるよう、定義に基づいたデータを事前に準備したかった。さらに、多様な分析ニーズに迅速に応えるため、クレンジング済みデータを整備し、すぐに活用できる環境の構築を目指していた。
比較検討したサービス
- Snowflake
比較した軸
最も重視したのは、GA4データのエクスポートがスムーズに行えることでした。GA4は従来のUAと比べてデータ構造が複雑化しており、多様な分析ニーズに応じるためには、データを柔軟に取り出し、外部のツールやシステムで利用できる環境が不可欠でした。そのため、データの正確性を保ちながら、必要な形式で容易にエクスポートできる機能を備えたツールの選定が重要視されました。
選定理由
BigQueryはGA4データのエクスポートがスムーズに行える点、Looker Studioとの連携が容易である点、そして他社事例を確認できたことで導入後の運用イメージが明確だった点が決め手となりました。導入したツールは、GA4の複雑なデータ構造を整理し、Lake、Warehouse、Martの3層構造を構築できる機能を備えていました。さらに、依存関係を考慮したデータ更新を行える Dataform を活用できたことにより、効率的かつ柔軟なデータ処理環境を実現しました。
また、Looker Studioとのスムーズな連携により、可視化や分析を迅速かつ直感的に行える環境を構築できたことも、大きな魅力となりました。
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
UAのサービス終了前に余裕を持ってGA4への移行を完了することができ、これまで使用していた指標を引き続き確認できる環境を整えることができました。また、新しい要望にも迅速に対応できるデータ提供体制を構築できたことで、課題の大部分を解決することができました。
どのような成果が得られたか
GA4を活用することで、これまで捉えられなかった新しい情報を発見することが可能になり、分析の幅が広がりました。また、データの一貫性や可視化の質が向上し、チーム全体でのデータ活用がより効率的かつ効果的になりました。これにより、データに基づいた迅速な意思決定が可能になり、業務全体の改善にもつながりました。
導入時の苦労・悩み
DataformがGoogleに移管された時期と重なり、公開されている情報が少ない、もしくは古い状態だったため、最新の仕様やベストプラクティスを把握するのに苦労しました。その結果、設定や実装の過程で試行錯誤が必要となり、時間を要する場面がありました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
データエンジニアリングがまだ一般的ではなかったため、3層構造(Lake、Warehouse、Mart)やELT方式について、図を用いて具体的に説明しました。特に、GA4の複雑なデータ構造を整理し、スムーズなデータ活用を可能にする仕組みを中心に解説しました。
また、UAで確認できていた指標がGA4でも継続して確認できることや、多様な分析ニーズに対応できる環境を構築する必要性を説明しました。さらに、データの確認や可視化が属人的にならないよう、Looker Studioを活用したダッシュボードの構築方法についても触れ、データの一貫性とチーム全体での共有が容易である点を説明しました。
活用方法
データは事業上の意思決定に活用しており、KPIや指標の達成状況を確認する際や、マーケティング戦略の見直し、新しい施策の効果検証などの場面で利用しています。
特に、GA4データを基に作成されたLooker Studioのダッシュボードを活用し、トレンドやパフォーマンスを可視化することで、具体的な改善ポイントを明確にしています。これにより、適切なタイミングで意思決定を行うための根拠を提供しています。
よく使う機能
- SQLによるクエリ実行
- 大量のデータに対して、高速かつ正確なクエリを実行し、必要な指標やKPIを抽出しています。
- GA4データの分析では、特定のイベントやユーザー行動を効率的に絞り込む際に利用しています。
ツールの良い点
- GA4との連携が簡単
- 大規模データに対応可能
- Looker Studioとの親和性
ツールの課題点
- 従量課金制のためコスト管理が必要
- SQLの知識が必要
ツールを検討されている方へ
小規模なデータ量であればコストも抑えられるため、まずは試験的に導入してみることをおすすめします。BigQueryはスケーラブルな設計のため、初期段階では必要最小限の利用で始めることが可能です。
また、費用がかさむリスクを避けるために、費用アラートを設定することでコスト管理を徹底できます。定期的なクエリ実行やデータ増加に伴う費用を可視化することで、安心して利用を拡大することができます。
初期導入では、GA4データを取り込むだけでも十分な価値を感じられるため、まずは基本的な活用からスタートし、必要に応じて徐々に高度な分析や可視化に展開していくのが良いでしょう。
今後の展望
統計学や機械学習の手法を活用し、データから得られる洞察をさらに深めることで、事業成長を加速させたいと考えています。具体的には、顧客行動の予測やマーケティング施策の最適化、新たなビジネス機会の発見を目指しています。
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目次
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- 導入の背景・解決したかった問題
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