Claude Code導入による開発効率化と全社展開までの段階的アプローチ
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株式会社Rehab for JAPAN / 久保田将規
EM / バックエンドエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
最終更新日投稿日
| 利用プラン | 利用機能 | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
|---|---|---|---|---|
Claude Max 5x | Planモード(計画立案機能)、カスタムスラッシュコマンド(ワークフロー自動化) 、VS Code拡張機能、(自作)OpenTelemetryによるトークン使用量の可視化・監視 | 11名〜50名 | 2025年5月 | B to B |
| 利用プラン | Claude Max 5x |
|---|---|
| 利用機能 | Planモード(計画立案機能)、カスタムスラッシュコマンド(ワークフロー自動化) 、VS Code拡張機能、(自作)OpenTelemetryによるトークン使用量の可視化・監視 |
| ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
| ツールの利用開始時期 | 2025年5月 |
| 事業形態 | B to B |
アーキテクチャ

アーキテクチャの意図・工夫
- OpenTelemetry(OTel)でClaude Codeのログを収集、分析する仕組みをEC2インスタンスに構築し、開発PCに環境変数をセットして、定期的にログを送信する構成とした
- Claude Codeのメンバーごとのトークン使用量が1ヶ月単位で閲覧できるように準備した
- コストのかからない構成としている(EC2インスタンスとGrafanaを活用したシンプルな構成)
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
AI業界の2025年5月当時の状況
- AIを使ったコーディングはまだ黎明期であり、DevinでAPIを1つ作るなど、改修規模の大きい開発は実用的ではなかった
ツール導入前の課題
- RehabCloudレセプトの大規模改修プロジェクトにおいて、リソースと期日に乖離があり、少ないリソースでも期日に間に合わせる策を探していた
どのような状態を目指していたか
- 適切に仕様を伝えれば、品質の高いソースコードやテストコードを生成できるようになり、当時進めていたプロジェクトの工数圧縮を目指していた
比較検討したサービス
- Cline: VS Code拡張機能として利用できるAIコーディングアシスタント(従量課金制)
- Claude Code: AnthropicのCLI型AIコーディングアシスタント(サブスクリプション型、VS Code拡張機能としても利用可能)
- Devin: AIエージェント型の開発ツール(従量課金制) ※2025年5月時点での比較
比較した軸
- コスト
- APIの従量課金の場合、コストを気にしてしまい、使い方の試行錯誤がしにくい
- Claude Codeはレートリミット内で使い放題のサブスクリプション型プランがあり、従量課金制の他サービスと比較してコストの予測・管理がしやすい点を重視した
- 実用性
- 大規模な改修プロジェクトでも実用的に使えるかどうか
- 実際の開発プロジェクトで業務効率化ができるかどうか
選定理由
- ClineやDevinでは、従量課金をベースとしたコスト体系となっている
- Claude Codeでは、Claude Maxプランのサブスクリプションで、Claude Codeがレートリミット内であれば無制限で利用できるようになったため、お試しで利用することが可能となり、他サービスよりもClaude Codeが優位となった
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
- Claude Codeの活用によりリソース不足を補い、RehabCloudレセプトの大規模プロジェクトのリリースを当初予定通り実施することができた
- そのリリースだけでなく、システムの細かな改善も並行して実施することができた
- パイロットプロジェクトでは、大規模なライブラリのアップデートや全機能のE2Eテストの拡充などをClaude Codeを用いて実施できた
- パイロットプロジェクトを含めた1ヶ月の生産性指標
- トークン使用量は、パイロットプロジェクトで選定したメンバーは高く、同水準で使用していることが分かった
- PR数について
- 全体の平均としては、PR数が64.5%増加した
- 特にマネージャー層では、1ヶ月間のPR数が導入前は16であったが、導入後は56と著しく増加した
- PRのマージまでの時間
- メンバー層に関しては、平均で33%短縮と改善
- うち未経験領域に挑戦するメンバーでも同様の改善効果が見られた
- マネージャー層に関しては、PRマージまでの時間が93.5%増加(悪化)した
- PR数自体の著しい増加に伴い、増加したPRに対するレビュー対応や動作検証に時間がかかり、PRマージまでの時間が増加したと考えている
- メンバー層に関しては、平均で33%短縮と改善
どのような成果が得られたか
- 既存プロジェクトでClaude Codeを活用する実践知を蓄積できた
- Claude Codeは、開発者の開発効率を向上させるが、特にマネージャー層に対する開発効率向上の幅が著しい
- マネージャー層のPR数が16から56へと約3.5倍に増加した一方で、PRマージまでの時間が増加した点から、開発効率の向上に伴う新たな課題(レビュー負荷の増加)も明らかになった
導入時の苦労・悩み
- 費用対効果の説明の難しさ
- Claude Codeを導入することによる費用対効果を説明することが難しかった
- どの値をKPIとすることで、Claude Codeが開発生産性を向上し、費用対効果が高くなるかのストーリーの検討が困難であった
- 解決策として、導入前後のPR数、マージまでの時間と、AIを活用していない状態の業務委託1名の過去の生産性を比較し、ROIを導出した
- パイロットプロジェクトでの検証
- 小規模なパイロットプロジェクトで効果を証明する必要があり、自作ツールでGitHubの活動量を追跡するなど、独自の仕組みを構築する必要があった
- 既存のツールでは十分な分析ができなかったため、自前で開発したツールで定量的な指標を取得した
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
個人での検証フェーズ(2025年5月)
- CTOに掛け合い、プライバシーポリシーの観点も含めて個人で社内利用可能なAIツールの一覧を作成し、承認を得た
- まず個人で利用し、実際の開発プロジェクトで業務効率化ができるかどうかを検証
パイロットプロジェクトフェーズ(2025年7月〜10月)
- ある程度規模の大きい改修でも実用できることが見込めた時点で、社内で3名ほどの小規模なパイロットプロジェクトを選定
- Claude Codeの先行利用で社内稟議を通した
- 3ヶ月を通して、トークン使用量の見える化と、自作ツールでそれぞれのリポジトリにおける対象者のGitHubの活動量を追跡し、生産性が向上することを証明
社内啓蒙フェーズ(2025年6月〜11月)
- 2025年6月から毎週、Claude Codeの利用方法を含めAI界隈のキャッチアップのためのYouTube Liveを社内向けに発信
- 2025年11月にはすでにClaude Codeを個人でも利用している人が多数という状態を作り、本格導入開始時点から多くの開発者がClaude Maxプランでスタートできるように準備
全社展開フェーズ(2025年12月〜)
- 2025年11月の経営会議での説明資料を作成し、2025年12月からエンジニアの希望者全員へClaudeのPro(使用が初めての人対象)、Maxプラン5x(すでに習熟している人を対象)を配布
- Claude Codeの活用を全面的に解禁した
活用方法
- Claude Codeの利用希望者へGrafanaアカウントを配布
- 開発PCの環境変数へ設定値を登録し、契約メールアドレスでトークン使用量が判別できるようになっている
- 各自が自分でトークン使用量を確認し、他メンバーと比較でき、トークン使用量が多いメンバーが分かるようになっている
- トークン使用量の多いメンバーから利用するときのノウハウなどを聞くなど、メンバー間での知識共有を促進している
よく使う機能
Planモード
- やることが明確な簡単な実装以外では、Claude CodeのPlanモードで計画を立て、そのままapproveして実装を行う
カスタムスラッシュコマンド
- チーム内で共有したいワークフローに合わせて、スラッシュコマンドを作成
- Planモードとは別に、計画用の
/create-plan、実装用の/execute-taskを作成し運用している - これにより、チーム内で統一された開発フローを実現し、Claude Codeに習熟していないメンバーでも同じ品質で開発できるようになった
statusline
- 常にコンテキストウィンドウの残量を確認するために設定している
- これにより、コンテキストウィンドウの上限に達する前に適切に対応でき、効率的な開発が可能になる
OTelで収集したログのダッシュボード機能
- 各メンバーのトークン利用量を監視
- 自分が社内でどれだけ利用できているかを確認可能
- 利用量の多い、つまり利用に習熟している可能性のあるメンバーを把握し、利用方法をヒアリングするなどができる
ツールの良い点
- 使用者の求めるものに合わせてカスタマイズ可能で、自由度が高い点
- 週制限や5時間のレートリミットはあるものの、その中でAPI課金を気にすることなく利用できる点
- VS Codeの拡張機能としても利用できるため、ターミナルが苦手な人でも利用できる点
ツールの課題点
- 特に大きな課題はない。あえて言うならば、VS Code拡張やCLIツールであるため、非エンジニアが使うには敷居が高い点
ツールを検討されている方へ
経営陣に近い人を味方につけることが必要
- エンジニアマネージャである自分自身が熱中し、社内展開したり、CTOを巻き込むなどすることで、技術を知らない経営陣への説明に苦労することはなかった
- まずは個人で試し、効果を実感してから社内展開を検討することを推奨
段階的な導入を推奨
- 個人検証 → パイロットプロジェクト → 全社展開という段階的なアプローチが効果的
- 各段階で定量的な指標(PR数、開発速度など)を取得し、効果を可視化することが重要
- 費用対効果を説明する際は、導入前後の指標と、AIを活用していない状態の業務委託などの外部リソースの生産性を比較することで、ROIを明確に示すことができる
社内啓蒙の重要性
- 導入前に社内向けの情報発信(YouTube Liveなど)を行い、個人利用者を増やすことで、本格導入時の習熟度を高めることができる
- これにより、導入開始時点から多くの開発者が効果的にツールを活用できるようになる
今後の展望
チーム単位での活用レベルの底上げ
- 個人単位はもちろんのこと、チーム単位で利用レベルに差があるため、その差を埋めることを実施する
- プロダクト単位で推進者を設定し、隔週で定例会を実施し、活用方法をプロダクト単位で共有し合う
継続的な改善
- トークン使用量の可視化により、利用に習熟しているメンバーからノウハウを吸収し、組織全体の活用レベルを向上させる
- カスタムスラッシュコマンドなど、チーム固有のワークフローをさらに最適化していく
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目次
- アーキテクチャ
- 導入の背景・解決したかった問題
- 活用方法


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