Claude Code を使った開発フロー振り返り2025
株式会社タイムラボ / Shota Takahashi
メンバー / フルスタックエンジニア・プロダクトエンジニア / 従業員規模: 11名〜50名 / エンジニア組織: 10名以下
| 利用プラン | 利用機能 | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 |
|---|---|---|---|
Max plan | Claude Code, Claude API | 10名以下 | 2025年6月 |
| 利用プラン | Max plan |
|---|---|
| 利用機能 | Claude Code, Claude API |
| ツールの利用規模 | 10名以下 |
| ツールの利用開始時期 | 2025年6月 |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
AIコーディングの精度が急速に向上する中、AIを使わないという選択肢はもはやありませんでした。しかし、個々人が好きなタイミングで好きなツールを使うだけでは、ナレッジの蓄積が難しく、チーム内での共通理解も深まりません。
そこで、1つのツールに特化することを決めました。特定のツールに集中することで、そのツールのベストプラクティスを見出し、最高のパフォーマンスを引き出せる可能性が高まると考えたからです。
比較検討したサービス
- Cursor
選定理由
CLI ベースの AI コーディングツールとしての高い普及度と完成度
後発の Gemini CLI などと比較しても、Claude Code は UI / UX やワークフローの観点で先行しており、実運用において使い勝手が良いと感じていました。 結果として、Claude Code は「AI コーディング CLI の模範的な存在」と評価できると考えています。
エディタ非依存で利用できるツールとしての柔軟性
Cursor も候補でしたが、専用エディタを前提としているため、既存の開発環境(エディタやワークフロー)を限定してしまいます。 CLI ベースでエディタに依存しない Claude Code の方が、チーム運用や将来的な拡張に対して柔軟性が高いと判断しました。
当時のコーディング用途における Claude 系モデルの優位性
コード生成・修正・文脈理解の精度が高く、日常的な開発支援において最も信頼できるモデルでした。
定額制 max プランによるコスト面での導入しやすさ
選定当時、同等の開発体験を定額で提供する選択肢は他になく、チーム導入時のコスト予測がしやすかった点も重要な判断材料でした。
導入の成果
チームでAIコーディングツールを統一することに意味があった
Claude Code に特化することで、プロジェクトへの組み込みやチームメンバーへの説明の機会が生まれ、自分自身の理解も深まりました。会社のテックブログにナレッジが蓄積されていったのも良かった点です。
ツール特有の機能に踏み込めた
広く浅く複数ツールを触っていると難しいですが、1つに絞ることでツール特有の機能(Hooks、Subagent、MCPなど)に踏み込んで開発体験向上にチャレンジできました。 もちろん運用に乗せてみて、結局使わないよねというものもありますが、そういうナレッジも一つの財産になっていきました。
開発時間の配分が変わった
AIコーディング導入前と比べて、開発に割く時間の配分が大きく変化しました。設計の価値が上がり、コーディング以前のものづくりの根本的な思想の部分に時間を使うようになりました。コードが書けるだけじゃダメなことを改めて感じました。 AIと共存するエンジニアとして今後ますますこういった部分が重要になってくると感じています。
一方で、人間によるレビューは依然として不可欠
プロジェクトには、これまでの経緯やビジネス上の背景など、多くの暗黙的なコンテキストが存在します。それらをすべて踏まえることは、現時点ではAIだけでは難しく、実装が不十分になるケースも少なくありません。
基本的な実装はAIコーディングに任せつつも、人間によるレビューは欠かせないと考えています。
理想としては、設計段階で「背景・制約・判断理由」などのコンテキストを整理し、ドキュメントとして明示することで、AIがそれを前提に実装を進め、手戻りを最小限に抑えることです。ただし、その場合でも最終的な品質担保として、人間がレビューを怠らないことは強く意識しています。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
先に述べた「選定理由」について、チームで議論して導入に至りました。 チームプランがなかったので、各自で購入(会社負担)からセットアップまでを行いました。
活用方法
よく使う機能
🔨Claude Code を使ったコーディング
Lynx 開発チームでは、フルタイムメンバーの希望者に Claude Code の Max plan を配布しています。
基本的な開発の流れは以下の通りです:
- プロジェクトディレクトリで
claudeコマンドを実行 - タスクの実装設計を行わせる
- 実装に向けて指示を出していく
- test や lint を通して PR 作成まで自動で行わせることも多い
実装前に Plan Mode で設計を出力させ、手を加えながらプランニングを詰めていきます。良い感じにプランが固まったら実装を開始させるというフローです。
AIが作成したコードは必ずレビューします。この時点でそのままマージすることは基本的にありません。むしろ「手を加えない」「レビューしない」という意思決定は今日の精度では不可能だと思っているため、この工程は必須です。 (いやそれが可能になる世界は来るものか。技術的には可能だが、そのリスクを負えるほど信頼していないです。)
ちなみに Claude Code による生産性を可視化するために数値を取っていたりもします。

🔨Claude Code GitHub Actions による自動レビュー
PR 作成時に自動でレビューを実行し、PR にインラインコメントを付ける運用を行っています。
現状では、CodeRabbit などの有料ツールと比較するとレビュー精度はまだ発展途上ではありますが、プロンプトのチューニングや運用の工夫によって、補助的なレビューとして十分に活用できるレベルには改善できています。
一方で、CodeRabbit は導入していた当時からレビュー精度の高さが安定しており、常時頼りにできるレビューをしてくれます。ここまでのクオリティを再現することはなかなか難しく、結果 CodeRabbit は外せないでおります。
そのため、本取り組みでは人間のレビューを前提とした補助的な位置づけと割り切ったうえで、AI レビューを活用しています。

🔨カスタムスラッシュコマンド
/create-pull-request コマンドを打つだけで、現在の差分からPRを作成してくれます。
🔨Hooks
Claude Codeが書いたコードに自動でlintやRubocopをかけるようにhooksを設定しました。通常業務でAIコーディングをする際に都度自動でチェックしてくれるので便利です。 https://zenn.dev/timelab/articles/a74b56607e60f9
🔨Subagent
タスクを Subagent に任せることで、独立したコンテキストウィンドウで作業をしてくれるので、コンテキストを失わずに最後までやり切ってくれます。 https://zenn.dev/timelab/articles/41afcbcc1edeeb
🔨MCP連携
PostgreSQL と MCP 接続することでAIがデータをよしなに参照できるようになるので、local の動作確認が楽です。 https://zenn.dev/timelab/articles/b691181bc6d142
ツールの良い点
👍バグ調査のスピード向上
バグの原因特定、影響範囲の特定が格段に速くなりました。コードベース全体を素早く走査して関連箇所を洗い出してくれるので、調査時間が大幅に短縮されました。
👍設計の価値が上がった
コーディング自体はほぼしなくなりました。基本的にAIがコードを書くため、設計の工程の価値が相対的に上がりました。
👍コードベース理解の加速
Plan Mode を設計の補助として使うことで、コードベースに実装として埋め込まれている仕様の特定・理解のスピードが上がりました。 そもそもプロジェクト全体の実装アーキテクチャが整備されていれば、AIも仕様から実装箇所を特定できる感じではあるので、アーキテクチャに沿ったルール化の士気も高まりました。これによって新規メンバーのキャッチアップも今後楽になっていくものと期待しています。
ツールの課題点
始めに申し上げておきますが、以下の内容はツールの課題点というよりかは、AIコーディングにおける今日の課題かもしれません。
AIの設計に引っ張られる問題
設計の叩き台を自分でゼロから考えることがなくなり、ベースをAIに出させるようになりました。その結果、AIの設計思想に引っ張られてしまうことがありました。
理想は、最初の指示段階で自分なりの脳内イメージを持っておくことです。「こういう感じにしてほしいなぁ」というおおよその方向性を持った上でAIに設計を出させれば、自分の思い描く全体アーキテクチャに落とし込みやすくなります。ベースから全てAIに任せてしまうと、まぁ間違ってないし大丈夫か、とそのまま approve して進んでいき、最終的によくわからない設計になってしまう恐れがあります。ベースは開発者自身の脳内に持っておくことが理想だと考えています。
レビュー時間の増加
実装よりもレビューに割く時間の比重が大きくなりました。レビューは必須であり、むしろ開発工程の中心になったと言えます。 レビューによる手戻りは、すでにコンテキストを持ってしまってからでは面倒なので、いかにこれを最小限にするかの戦いになります。
修正指示の難しさ
つい先程の内容と似ていますが、レビューで問題を見つけて修正を指示すると、AIが最初に捻出した設計思想に引っ張られがちです。コンテキストをリセットして新たに指示するか、もはや自分で修正した方が早いというケースは多々ありました。
さらなる速度向上への期待
YOLO Mode や 複数ブランチでの並行作業(git worktree) はまだ試せていません。試すにしてもベストプラクティスが見えず、うまくいっていないのが現状です。 どんどん一人で進めてくれること、並列で進めてくれることができれば、理論的には圧倒的に速くなります。ここまでの信頼ができるにはどうすればいいか… 考えたいところです。
今後の展望
個人としては、やり方次第でまだまだ開発速度向上の余地があると感じています。直近では git worktree などを使った並行作業の良いやり方を模索したいと思っています。あとはMCPの効果的な使い方は色々試した上で見えていないので、開発面では積極的ではありません。(ワークフローなど別の用途で活用するのが良いと考えています) チームメンバーが使いやすいベストプラクティスの提案や、便利なツールの作成には引き続き挑戦していきたいです。
AIの発展に追従しつつ、プロジェクトの成長を限られたリソース内でも圧倒的なスピードとクオリティでデリバリーするため、効果的な使い方を磨いていきたいと思います。
株式会社タイムラボ / Shota Takahashi
メンバー / フルスタックエンジニア・プロダクトエンジニア / 従業員規模: 11名〜50名 / エンジニア組織: 10名以下
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- 導入の背景・解決したかった問題
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