株式会社SmartHRのCloud Run活用事例
株式会社SmartHR / Takashi-HIGUCHI-Dev
SRE / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 101名〜300名
| 利用機能 | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
|---|---|---|---|
Webフロントエンド/バックエンド、非同期処理ワーカー | 101名〜300名 | 2020年10月 | B to B |
| 利用機能 | Webフロントエンド/バックエンド、非同期処理ワーカー |
|---|---|
| ツールの利用規模 | 101名〜300名 |
| ツールの利用開始時期 | 2020年10月 |
| 事業形態 | B to B |
アーキテクチャ
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
SmartHRは、基本機能と呼ばれるコア機能を提供するプロダクトと、オプション機能を提供する十数のプロダクトで構成されており、各プロダクトはそれぞれが独立したインフラアーキテクチャ上で稼働しています。 Cloud Run導入前のインフラ構成は長年の継ぎ足しによって複雑化しており、以下のような課題を抱えていました。
- プロダクト毎に構成もまちまちなため、開発メンバーのスケールがしにくい
- クラウドプラットフォームからさまざまな外部マネジメントサービスに接続するかたちで運用していたが、その権限分離が適切になされていないため、内部統制が難しく開発の安全性も低い
どのような状態を目指していたか
以下の状態を目指しました。
- 各プロダクトの技術スタックを揃えて運用のナレッジを共有しやすくし、開発メンバーの柔軟なスケールが可能であること
- 運用における学習コストを下げ、本来の業務である開発に専念するためにも、できるだけマネージドに寄せたサーバーレスな構成であること
比較検討したサービス
- ECS Fargate
- Google Kubernetes Engine(GKE)
比較した軸
運用のシンプルさや、プラットフォームが提供する他のサービスとの親和性を重視して検討しました。
選定理由
- すでに社内に導入されていたGoogle Workspaceのアカウントで、課題の1つとなっていた権限管理や統制を容易かつ安全に行える
- セールスチームがBigQuery、Lookerを業務で使用しており、それらとの連携がしやすい
- IAM等の権限管理が他プラットフォームと比べシンプルであり、運用負荷が少ない
- GKEを使うほど複雑な構成ではなく、比較的学習コストが低い
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
説明したこと
元々Google Cloudのサービスを一部利用していたこともあり、コンテナ実行環境もCloud Runに統一することでインフラの運用・学習コストを下げプロダクト開発に集中できるということを説明しました。
求められた要件
移行前に使用していたマネージドサービスの終了が1年後に迫っていたため、その日までに移行完了していることが絶対要件でした。 そのため十数のプロダクトの開発チームから 1~4 名の作業担当者を募り、さらに今回の移行で強く意識した内部統制のためのセキュリティチームの担当者も交えて個々のプロダクトを段階的に移行していく計画を立案・説明しました。
活用方法
よく使う機能
- Webフロントエンド/バックエンド
- 非同期処理ワーカー
ツールの良い点
- コンテナ実行環境として非常にシンプルな構成であること
- コンテナ負荷、リクエスト数に応じた柔軟なスケーラビリティがあること
- コールドスタート時の起動レイテンシがコンテナイメージサイズに左右されないこと
ツールの課題点
- VPC内部のリソースに対しては別途Direct VPC Egress等の設定が必要
- 他社のコンテナ実行サービスよりもカスタマイズ項目が少ない
今後の展望
SmartHRは労務領域を出発点とし、タレントマネジメント領域や情シス領域などカバーする領域を拡大しています。また、2025年6月には「人的資本経営プラットフォーム」を目指すことを発表しました。この戦略を達成するため、そして増え続けるプロダクトを支えるために、プロダクト基盤のアーキテクチャの改善や機能の強化に取り組んでいます。
SmartHRでは、これまでプロダクトごとにインフラを運用していましたが、プロダクトの増加に伴い、重複作業や運用コストが課題となっていました。この状況を改善するため、2024年にSREチームを立ち上げ、プロダクトの信頼性やスケーラビリティ向上に取り組んでいます。
また、データ連携のようなマルチプロダクトを支える共通基盤づくりにも注力しています。ポリシーベースのアクセス制御やモジュラーモノリス化といったシステムの責務を明確に分割して成長できる仕組みの提供を通して、プロダクトチームがオーナーシップを持って自律的に価値を届けられる状態を目指して日々取り組んでいます。
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株式会社SmartHR / Takashi-HIGUCHI-Dev
SRE / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 101名〜300名
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株式会社SmartHR / Takashi-HIGUCHI-Dev
SRE / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 101名〜300名
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目次
- アーキテクチャ
- 導入の背景・解決したかった問題
- 活用方法


