負荷対策をきっかけに導入。その後、プロダクト開発に欠かせないツールへ。
キャディ株式会社 / minato128
バックエンドエンジニア
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
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Enterprise | 101名〜300名 | 2019年2月 | B to B |
利用プラン | Enterprise |
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ツールの利用規模 | 101名〜300名 |
ツールの利用開始時期 | 2019年2月 |
事業形態 | B to B |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
開発基盤を含めた全体的な構成はこのようになっています。 基本的にすべてCloudflareを通すことで、単なるCachingやLoad Balancingだけではなく、Edge Cloud/Edge ComputingやSecurity領域などの機能を活用し、要件に応じた最適化ができるようになっています。
図は「Software Design」(2024年1月号)に寄稿した連載記事から引用しています。より詳細な解説は記事を参照してください。
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
歴史的経緯により、創業時からクラウド上のSelf-Host WordPressでコーポレートサイトを運用していました。 その後徐々に会社の認知度が高まり、アクセス数が増える中でキャパシティに問題があることがわかってきました。 運用やコストの観点から将来的にはSaaSに乗り換える予定でしたが、暫定対応としてCDNを通すことで負荷対策することにしました。
比較検討したサービス
なし (初期費用無料で利用開始できて必要十分だったため、他のCDNは検討していません)
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
Free Planで利用し始め当初の期待通り、コーポレートサイトの負荷の問題を解消できました。
どのような成果が得られたか
当初の目的を達成しただけでなく、その後、プロダクト開発でも活用が進みました。 Cloudflareを使うことで、
- Web Application Firewall
- DNS管理
- Edge証明書管理
- プロダクトのメンテナンスによるアクセス制御
などの関心事をGoogle Cloud/Application Sideから切り離し、プロダクト開発の速度を上げることができました。 実際、社内のプロダクトはサブドメインを決めて、DeploymentやRouting用のmanifestを作ればGKE上にすぐデプロイしてユーザーが使えるようになっています。Cloudflare Accessを利用し、コロナ禍に伴うリモートワークの拡大にも素早く対応できました。
これらは、他の手段でも実現可能ですが、Cloudflareを採用した理由は下記のとおりです。
- 簡単かつ低価格で利用が開始できたこと
- DNSとCDNが集約されており、開発者が使い慣れていたこと
- CloudflareとGoogle Cloudの役割分担が明確で、関心事を分離しやすかったこと
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
初期導入時のFree Planのときは、費用がそもそも発生しないので詳細な説明は不要でした。
Enterprise Planにアップグレードするときは、
- 何が解決できるのか
- 既に利用しているサービス/Planではなぜ解決できないか
- 契約と費用
- 懸念事項、リスク
などをまとめてCTOに説明しました。
特に「何が解決できるのか」に関しては、以下のようなことを詳細にまとめました。
- Cloudflare Accessの利用範囲を拡大し、セキュリティリスクを下げること
- Audit LogsをSIEMに連携し、ガバナンスを強化すること
- Request Logsを収集し、可観測性・追跡性を向上させること
- その他の様々な追加機能により、運用柔軟性・パフォーマンス・キャパシティを向上させること
活用方法
よく使う機能
- Cloudflare Access
- 主に開発者向けのSaaSやPrivate Applicationの認証認可に利用しています
- Developer Platform
- Workers, KV, R2をPrivate Applicationの一部として利用しています
ツールの良い点
- 高い可用性・信頼性・パフォーマンス
- APIやTerraform Providerが提供されていること
- Developer Platformの開発体験がよいこと
- 先進的な機能が次々にリリースされること
- Enterprise Supportの対応の速さ
- Enterprise Planの契約前に、想定通りに運用できるか試用期間を設けてくれること
ツールの課題点
- Enterprise Planの場合、日本の商習慣に合わせた支払い方法を選択できないこと
- Enterprise Planの場合、年間契約になること
- リソース間の細かな認可制御ができないこと
ツールを検討されている方へ
無料で利用開始できるので、まずは気軽に検証してみていただければと思います。
キャディ株式会社 / minato128
バックエンドエンジニア
キャディでPlatform Teamのチームリードをしています。「開発組織のポテンシャルを解放する」がミッションです! https://caddi.tech/archives/4088
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目次
- アーキテクチャ
- 導入の背景・解決したかった問題
- 活用方法