Cloudflare Workers活用: Vercelログを構造化データとしてCloud Loggingへ送信
株式会社モニクル / beaverjr
SRE / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 |
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基本的にはFreeプラン。 | 11名〜50名 | 2023年9月 |
利用プラン | 基本的にはFreeプラン。 |
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ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
ツールの利用開始時期 | 2023年9月 |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
Cloud Logging用のTokenをリフレッシュするCloudflare Workersと、Vercelのログにヘッダーを追加、整形しCloud Loggingに送るCloudflare Workersがあります。
- Cloud Logging用のTokenリフレッシュ機能
このCloudflare Workerは、セキュリティを確保しつつ、Cloud Loggingへのアクセス権を維持するためのトークンを定期的に更新します。これにより、長期間にわたる安定したログ送信機能を保証し、管理の手間を軽減します。
- Vercelログのヘッダー追加と整形機能
Vercelから出力されるログをCloud Loggingのフォーマットに合わせて整形することで、構造化ログとして送信しています。
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
以前は、他のログサービスを利用していましたが、複数のツールをまたいでログを確認する必要があり、作業効率が低下していました。
フロントエンド(Vercel)とバックエンド(GCP)の一元的なログ管理を通じて、アプリケーション全体のパフォーマンスとエラーハンドリングの改善を図ることと、ユーザー体験の問題点をより正確に特定し、開発チームが対応策を迅速に講じられるようにするために、移行検討をはじめました。
比較検討したサービス
- Cloud Functions
- AWS Lambda
選定理由
Vercelのログを構造化ログとしてCloud Loggingに送るという要件を満たせるか、という点を最重要視して選定しました。
上記要件を満たせるということの他にも、Vercelでの開発とGoogle Cloudプラットフォームでの分析・監視をシームレスに統合できるという点や、高速なエッジコンピューティング能力、またコスト効率が良い点を踏まえて、Cloudflare Workers導入に至りました。
また、会社として将来的に他のプロジェクトでもCloudflareを導入していきたいという方針もあり、Cloudflareを採用しました。
導入の成果
Cloudflare Workersを導入することで、Vercelのログを構造化ログとしてCloud Loggingに送ることができたので、当初改善したかった課題は解決できました。
Cloudflareのダッシュボードで流量を視覚的に確認できるようになったこともメリットとして感じています。
導入時の苦労・悩み
すでにドメイン管理やCDNではCloudflareを使用していたため、大きな障壁はありませんでした。
Workersの有料プランの費用がどのくらいになるのかを計算するのが少し大変でした。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
上長へは、$5/月かかる点を説明して、導入を承認していただきました。
活用方法
よく使う機能
1. Cloudflare Workers
Vercelのログを構造化ログとしてCloud Loggingに送信
2. Cloudflare Access
社内向けのサーバなどクローズドな環境への経路構築
3. Cloudflare Pages
社内のエンジニア向けナレッジストアのホスティング
ツールの良い点
- コストパフォーマンスの高さ
基本プランが無料で提供されており、多くのウェブサイトやアプリケーションにとって必要十分な機能を低コストで利用できる点。また、有料プランでも競合他社と比較して手頃な価格設定で、コスト効率良く高度なセキュリティやパフォーマンス改善機能を導入できる点。
2. 多機能かつ設定が手軽な点
最先端のセキュリティ機能・高速なコンテンツ配信・エッジコンピューティング関連の多彩なツールを提供している点。多機能性にも関わらず、設定やドキュメントがシンプルでわかりやすい点。Terraformの利用も可能。
ツールの課題点
GitHub Actionsからデプロイする際のOpen ID Connectに対応してほしい
(現状はAPI Keyを使用する必要があるため)
ツールを検討されている方へ
Cloudflareはコストパフォーマンスが高く、検証等で実際にサービスを試用してその効果を体験しやすいのが魅力だと思います。最近はドキュメントやコミュニティフォーラムも充実しているので、それらを活用してプロダクトに最適なサービス・設定を探してみてください。
株式会社モニクル / beaverjr
SRE / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
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目次
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- 導入の背景・解決したかった問題
- 活用方法