Cloudflare R2移行でコストの大幅カットに成功
株式会社HIKKY / kazu0617
メンバー / インフラエンジニア / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 51名〜100名
ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
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10名以下 | 2023年4月 | B to C |
ツールの利用規模 | 10名以下 |
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ツールの利用開始時期 | 2023年4月 |
事業形態 | B to C |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
AWS側にドメインが乗っており、Cloudflareではサブドメインでの移譲ができない関係上、構成図の通りリダイレクトを一段挟んで提供しています。
こちらは社内への展開の面からもリダイレクトは外せないと判断し、このまま提供しています。
それ以外は意図や工夫は特にありません。CloudflareでCDNの構成の場合は一般的な構成ですし、転送についてもCloudflareの推奨する方法で実施しました。
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
以前は、動画CDNはCloudFront + S3で構築しており、イベントごとにかなり費用がかかる状態でした。
詳細の移行背景や流れについては、下記の記事を参照にしてください。
https://zenn.dev/kazu0617/articles/699ca7d354c4c0
比較検討したサービス
AWS CloudFront + S3(Cloudflare導入前に利用)
比較した軸
既存で利用していたAWS CloudFront + S3と比較して、Cloudflare R2はコスト面、特に転送量に伴うコスト増に対しマッチするサービスであるか、という点を特に重視して比較しました。
移行後のコストプランを試算し大幅にコスト削減が予想される等、Cloudflare R2が強みとしている部分と、当社の抱えていた問題に対しての課題ポイントが一致していると考えたため移行を決断しました。
導入の成果
CloudFront + S3で実施していた一部統計情報は確認できる状態にしつつも、現在の構成にすることで主に転送量を中心として大幅なコストダウンに成功しました。副次効果としてCloudFront + S3構成ではサポートされていなかった、動画の最適な転送が同時に有効化されていました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
- AWS CloudFront + S3の構成でかかっていた費用と主な使用方法
- Cloudflareの構成になった場合の費用面の削減効果
をまとめ、短期間で効果が見込める点・使用方法からも、後者の構成の方がマッチしている点を主に説明しました。
社内への展開
システムに精通していない社員が、R2へファイル投入作業を行う場合があるので、社員が滞り無く作業ができるようドキュメントの整備や、説明会を何度か開催しました。
また、CloudflareではWebUIの発行が限定的だったため、現状ではアクセスキーを付与して運用しています。
過去の資産の引き継ぎタイミングを確認しつつ、移行によるコスト削減の恩恵が一番受けられる、次回イベント開催前に対応が完了できるように展開しました。
活用方法
よく使う機能
- Cloudflare CDN
CloudflareにDNSを設定した際に自動で設定される強力・高速なキャッシュが魅力。Cloudflareのサービスはすべてここが起点です。
2. Cloudflare R2
エグレス転送量0円、アクセス回数で課金されるオブジェクトストレージ。初心者でも扱いやすく、また凝った構成をする場合はWorkersとの連携が強力です。
3. Cloudflare Workers
エッジ環境で動作する、低コストで取り回しの良いコンピューティング環境です。
ツールの良い点
- コスト効率がよい
2. 手軽に導入ができる
設定等が分かりやすく、初心者でも簡単に導入ができます。
また、サービスを組み合わせることで凝った構成にも対応でき、柔軟性もあります。
ツールの課題点
WebUIの発行が限定的
アクセス権の管理がもう少し柔軟に対応できるようになるとありがたいです。
その他
Cloudflareを使っている中で失敗したエピソード
Cloudflare R2を直接ユーザに公開するように設定したこともありましたが、CloudFront の強力なアクセスログ機能が使えず、Cloudflareの方はアクセスログ機能がなく…必要な情報を取ることができないといった問題も起きました。
今のリダイレクト構成にすることで、302 / 301にはなるもののファイル名ベースで確認できるようになり改善しました。
ツールを検討されている方へ
R2への移行は弊社の状況には非常にマッチした結果となりましたが、コストの試算や、機能面でのメリット・デメリットを比較し検証されることをおすすめします。
また、今回はR2の事例をメインで紹介しましたが、Cloudflareには他にも便利な機能が多くありますので、まずは気になる機能から触られてみても良いかと思います。
株式会社HIKKY / kazu0617
メンバー / インフラエンジニア / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 51名〜100名
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- 活用方法