CursorによるAIエージェント開発の組織展開と運用

株式会社コロプラ / 法島雄哉
メンバー / バックエンドエンジニア / 従業員規模: 501名〜1,000名
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
- AI推進を横断的なチームやプロジェクトごとに取り組んでいたが、AIエージェント開発の環境が統一されておらず活用が十分に進んでいなかった
どのような状態を目指していたか
- AIエージェントによる開発に慣れ、開発生産性を向上させる
- 管理職やリードクラスでのAI活用を促進し、組織全体でのAI利用を底上げ
比較検討したサービス
- Windsurf
- GitHub Copilot
- Claude Code
比較した軸
- 組織全体への展開コスト
- 組織管理のしやすさ
- 開発環境の柔軟性
- 学習コスト
選定理由
Cursorは、VS Codeベースで作られているので学習コストも最低限で、AIエージェント開発に必要な機能がバランスよく盛り込まれているエディタです。決め手になったポイントは以下の通りです。
- AIエージェント開発に最適化された機能群
- リーズナブルな価格で広く展開が可能
ただ、Cursor はあくまでも「AIエージェントによる開発に慣れるための1つのツール」という位置づけとして導入しています。
導入の成果
導入1週間でヘビーユーザーは数日で500リクエストを使用するなど積極的な活用が始まり、社内Slackでの知見共有が活性化しました。
マーケティング戦略部では非エンジニア部門としていち早く導入し、企画のキックオフから実行決定までのプロセスが従来の半分程度に短縮され、「部下が一人増えた感覚」で業務を進められるようになりました。
https://pinmark.colopl.co.jp/entries/39316793
さらに、エンジニアだけでなく企画職でも使いこなす人が現れ、AIエージェントへの感度が組織全体で高まり、Claude ProでのClaude Code利用者も増加するなど、AI開発環境への関心が全社的に広がりました。
導入時の苦労・悩み
AIエージェント開発は過渡期であり、以下のような課題に直面しました。
- セキュリティポリシーの整備とコードベースの取り扱いルールの明文化が必要だった
- ベストプラクティスをチーム間で共有する仕組みづくりに時間を要した
ただし、セキュリティポリシーやルールについては導入前から準備を進めていたため、粛々と運用できました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
CIOの菅井がAI推進の一環として導入を決断し、AIイネーブルメントグループの立ち上げと同時に展開されました。Cursorは「標準化するツール」ではなく「AIエージェント開発に慣れるための入門ツール」という位置づけとし、各自が使い慣れたエディタをベースにAIエージェント機能を活用する柔軟な方針を示しました。セキュリティポリシーやコードベースの取り扱いルールは導入前から準備を進め、安心して使える環境を整備しました。
活用方法
よく使う機能
- 実装に基づく仕様確認
- 運用タイトルの機能実装
- マスターデータのデータチェック
- コーディングのレビュー
ツールの良い点
- 複数のmdcファイル (ルール)を指定できるため、指示の自由度が高い
- IDEの特徴としてコーディング中の自動補完の精度が優れており、意図した実装を素早く記述できる
- ツールの統合されているため、Cursor ひとつで完結させることでコスト面でもメリットがある (ただし物足りなくなる可能性はあります)
ツールの課題点
- PhpStormのような言語特化型IDEと比較すると、一部の機能や使用感で劣る
- 誤った情報や意図しない箇所の修正を提案することがあり、その後の軌道修正が困難な場合がある
ツールを検討されている方へ
Cursorを効果的に活用するための最大のポイントは、プロジェクト内のルールや仕様をしっかりとドキュメント化しておくことです。 ドキュメントが整備されていればいるほど、精度の高い支援を受けられます。
PHPやその他の言語で専用IDEを使用している場合は、完全に置き換えるのではなく、用途に応じて併用することも検討すると良いと思います。

株式会社コロプラ / 法島雄哉
メンバー / バックエンドエンジニア / 従業員規模: 501名〜1,000名
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