生産性2.45倍を実現!オプティムのCursor全社導入事例

株式会社オプティム / 株式会社オプティム技術広報
メンバー / その他 / 従業員規模: 301名〜500名 / エンジニア組織: 101名〜300名
| 利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
|---|---|---|---|
Teamプラン | 51名〜100名 | 2025年3月 | B to B |
| 利用プラン | Teamプラン |
|---|---|
| ツールの利用規模 | 51名〜100名 |
| ツールの利用開始時期 | 2025年3月 |
| 事業形態 | B to B |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
オプティムでは、LLMによるコーディングアシスタントツールの進化が著しく進んでいた2024年度上半期頃から、いくつかのチームでContinue、Clineなどをトライアルし始めていました。しかし、全社的には統一されたツールが導入されておらず、趣味の個人開発や小規模チーム開発と全社開発の間に生産性のギャップが生じていました。 特に課題となっていたのは以下の点です
- 個人で利用しているエンジニアは著しい生産性向上を実感していたが、全社では活用できていない状況
- AIコーディングアシスタントの導入効果を定量的に示すことが難しく、全社導入の意思決定に必要な「費用対効果(ROI)」の説明が困難
- 様々なツール(Cline、Cursor、Claude Code等)が乱立しており、どれを選択すべきか判断が難しい
- Clineは高機能だがコストが高く、全社導入すると利用状況によっては十分なコストパフォーマンスが発揮できないリスクがあった
どのような状態を目指していたか
全社で自由に利用できる CI/CD 用の Runner など、開発に関わる環境全般の整備などを進めている「開発環境改善WG (ワーキンググループ)」を中心に、以下のような状態を目指していました
- 全エンジニアが最新のAIコーディングアシスタントを活用できる環境を整備し、高い生産性を組織全体に展開する
- データに基づいた客観的な効果測定により、ツール導入のROIを明確に示し、継続的な投資判断ができる体制を構築する
- コスト管理の仕組みを整え、予算内で最大の効果を得られるツール選定と運用方法を確立する
- エンジニアがより本質的な課題解決に集中できるよう、定型的なコーディング作業をAIに任せられる開発体験を実現する
- エンジニアが個別に無許可のAIツールを使用することによるセキュリティリスクやガバナンスの問題を防ぐため、なるべく社内でガバナンスの効いた公式ツールを整備・導入する
比較検討したサービス
オプティムでは、2024年上半期に実施した技術選定当時には、以下のAIコーディングアシスタントツールが比較検討の対象となりました
- Continue
- Cline
- Cursor
- V0 などのコード生成ツール
比較した軸
コストパフォーマンス: 全社導入時の月額コストと効果のバランス
- Clineは高機能だが全社導入時のコストが高すぎる
- Cursorは比較的コスト効率が良く、予算管理しやすい
- ※ 技術選定当時の状況で判断しております。
効果の定量化のしやすさ: ROI算出に必要なデータ取得の容易性
- Cursorは変更したコード行数や承認した行数が簡単に計測できる
- 生産性向上を数値で示すことができる
運用の柔軟性: コスト管理の仕組みとの親和性
- 使用量に応じた柔軟なツール割り当て(Cline, Claude Code⇔Cursor間の移動)が可能か
- コスト監視の仕組みが構築できるか
既存ワークフローとの統合: 開発環境への導入のしやすさ
- VSCode等の既存エディタとの互換性
- チーム開発における導入障壁の低さ
タブ補完機能: コーディング中のリアルタイム補完
- AIによるコード提案がタブキーで即座に適用できる機能
- 開発体験を大きく向上させる重要な要素
AIによる生産性の可視化: 入力行数・承認行数の計測
- AIで入力した行数、Acceptした行数をダッシュボードで確認できること
- 効果測定とROI算出に不可欠
オプトアウト機能: データ利用の制御
- コードがAIの学習に利用されないようにする設定が可能か
- セキュリティとプライバシーの観点から重要
SSO(シングルサインオン)対応: アカウント管理の容易性
- 社内の認証システムとの統合
- 退職時のアカウント停止対応など、ガバナンスの観点で必須
選定理由
オプティムでは、2026年1月現在、Amazon Bedrock、Claude Code、CodeX、Cursorなどが活用されており、多くのエンジニアはCursorを利用しています。 Cursorを中心とした全社導入の決め手となったのは、以下の3点です
アンケートを中心としたROI
- コーディング時間における生産性が平均2.45倍に増加
- エンジニア1人としての総合的な生産性が1.7倍に向上
- 類似タスクの実装期間比較、従来見積もりとの実装時間ギャップ、生産コード量の変化という3つの指標から客観的に効果を測定
コスト管理の仕組みを確立
- 年間1000万円以上の予算設定(2025年6月全社導入時)
- 一時的な利用者は従量課金で利用するCline、恒常的な利用者はコスト効率の良いCursor、というハイブリッド運用方式
- 月間の使用量が多いユーザーをCursorに移行させることでコスト最適化
経営層の理解と承認
- 社長への直接デモにより、生成AI関連ツールのポテンシャルを体感してもらえた
- アンケートに基づいたROI説明により、全社導入の承認を獲得
- 個人開発と全社開発の生産性ギャップを埋めることの重要性が経営層に理解された
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
当初の課題であった「個人開発と全社開発の生産性ギャップ」については、2025年6月の全社導入により、全エンジニアがAIコーディングアシスタントを利用できる環境が整いました。
ただし、2026年1月時点での振り返りでは、「開発者の体験が非常に良くなった」一方で、「利用の月次変動幅も大きく、わかりやすい形ではアウトプットのKPIには現れていない 」という課題も明らかになっています。GitLabのコミット数やコード変更量では明確な効果が見えておらず、効果測定の指標自体の見直しが必要とされています。
どのような成果が得られたか
導入初期の成果(2025年6月時点)
- 年間1000万円以上の予算で全社導入を実現
- コーディング中心の業務を行うエンジニアにおいて、アンケートによる生産性向上を確認
- ROI算出により、ツール導入効果を経営層に説明可能な形で可視化
- 類似タスクにおいて、実装期間の大幅な短縮を実現
運用半年後の実態(2026年1月時点)
- 利用は定着し、エンジニアの開発体験は大幅に向上
- 一方で、コミット数などの従来指標では効果が現れていない課題も浮上
- Four KeysやAIに特化した新しい計測指標の導入を検討中
導入時の苦労・悩み
費用対効果の可視化という壁
最も苦労したのは「生産性が上がる」という感覚的な実感を、客観的なデータとして示すことでした。個人レベルでは「生産性が向上した」と感じていても、それを組織全体の意思決定に繋げるには、具体的な数値による説明が不可欠でした。
「開発生産性」の可視化は、どのような開発組織にとっても非常に難しい問題です。プロジェクトやプロダクトのフェーズが異なる場合や、担当業務がマネジメントや設計中心の場合は、単純な比較が困難になります。
ツール選定時の悩み
LLM関連ツールは「毎月新しいものが出てくる」という状況で、どれを選ぶべきか判断が難しい状況でした。Continue、Cline、Cursorなど複数のツールを並行して評価し、最終的にはコストと機能のバランスからCursorを中心とした運用に決定しました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
オプティムでは、以下のようなアプローチで説明を進めました
実際のデモによる体感: 全社懇親会で社長に直接デモを実施。V0やCursorを目の前で動かし、人間の生産性の限界を超える速度でコードが生成される様子をリアルタイムで共有しました
データドリブンなROI算出: 3つの指標で多角的に効果を測定
- 類似タスクにおける実装期間の比較
- 従来見積もりとの実装時間ギャップ
- 生産されるコード量の変化
段階的な導入とフィードバック収集: 最初は40名のアーリーアダプターから開始し、実際の効果とフィードバックを収集
コスト管理の課題
Cursor導入当時、Clineの利用者も多数いましたがこのままClineの利用を続けるとコストが高く、全社導入すると予算が枯渇するリスクがありました。Clineの利用ユーザーもいる中で各チームに納得してもらいながら段階的に移行するために、次のような施策をとりました。
- デイリーでの利用金額通知Bot: Teamsに自動で日次の利用金額を通知するBotを作成し、コストの可視化と異常値の早期発見を実現
- 段階的な移行の仕組み: 使用量が多いユーザーから、コストが予測しやすいCursorへ移行させる仕組みを構築
- 結果: コスト監視の仕組みを整備し、月額予算内での運用を実現
活用方法
オプティムの開発組織では、以下のような使い方でAIコーディングアシスタントが活用されています
日常的な開発作業
- 類似パターンが存在するコーディング作業
- 単体テストの生成とテストコードの作成
- レガシーコードのリファクタリング
- コード変更量の多い機械的な作業
チーム単位での活用
- 開発環境改善WGが中心となり、利用方法の共有やフィードバック収集を実施 ^ 多くのエンジニアがリポジトリにコミット、フィードバックを提供する文化が定着
よく使う機能
Cursorの主要機能:
- コード生成と補完: AIによる高精度なコード提案とオートコンプリート
- 変更量の可視化: 変更したコード行数や承認した行数を簡単に計測できる機能(ROI算出に活用)
- コスト予測のしやすさ: 月額料金体系により、全社導入時のコスト管理が容易
- VSCode互換性: 既存の開発環境からの移行が容易なVSCodeフォーク版
- ダッシュボード機能: 組織全体の利用状況を可視化
- AIで入力した行数の表示: AI補完によって実際にエディタに入力されたコード行数を確認
- Acceptした行数の表示: AIが提案したコードのうち、開発者が承認して取り込んだ行数を集計
- これらの指標により、個人およびチーム単位でのAI活用度と生産性向上の度合いを定量的に把握できる
- 効果測定とROI算出に不可欠なデータソースとなっている
ツールの良い点
高評価(導入初期): コーディング中心のエンジニアからは、生産性が2.45倍になるという驚異的な効果が確認され、高い満足度を得ています。
継続的な評価(運用半年後): 開発者体験は大幅に向上し、ツールの利用は完全に定着しています。ただし、組織全体のアウトプット指標(コミット数など)には明確な効果が現れていないため、ROIの可視化が引き続き課題となっています。この効果測定の課題が、満点評価ではない主な理由となっています。
ツールの良い点
Cursor特有の利点:
- 導入の容易性: VSCodeベースのため、既存の開発環境からスムーズに移行可能
- コスト管理のしやすさ: 月額料金が明確で、全社導入時の予算計画が立てやすい
- 効果測定の容易性: 変更したコード行数や承認した行数を簡単に計測でき、ROI算出に活用できる
- コストパフォーマンス: Clineと比較して、コストを抑えながら十分な機能を提供
- 定額で使えるモデルの存在: 月額20ドルの上限内で利用できる範囲が設定されている一方、特定のモデルに関しては無料枠(20ドルの枠外)で使えるものもあり、コスト効率が良い
- 最新モデルへの対応の早さ: 新しいLLMモデルがリリースされると、ほぼ即日でCursorに搭載されるため、常に最新の技術を活用できる
AIコーディングアシスタント全般の利点:
- 生産性の劇的な向上: コーディング作業において2.45倍の生産性向上を実現
- 定型作業からの解放: 単体テスト生成やAPI連携などの機械的な作業を効率化
- 学習コストの低減: 新しい技術やライブラリの学習時間を短縮
- リファクタリングの容易化: レガシーコードの改善作業が格段に楽になる
ツールの課題点
利用状況の管理:
- アカウントの棚卸が必要: ライセンスを付与しても実際には使っていないユーザーが一定数存在するため、定期的な利用状況の棚卸と不要なアカウントの整理が必要
- これにより、コストの無駄を削減し、実際に必要とするユーザーにリソースを集中できる
予算不足への対応:
- 20ドル分の予算では足りないユーザーが発生: ヘビーユーザーの場合、月額20ドルのCursor標準プランでは予算が足りなくなるケースが頻繁に発生
- 運用方針の設計が必要: 予算オーバーしたユーザーに対して、別ツールへの切り替えなど、柔軟な対応方針を事前に設計しておく必要がある
- 代替ツールの検討: 現在は40ドル程度が必要なユーザーに対して、SSOができオプトアウトが可能で、かつ一定の性能を持つツールとしてCodeXが比較対象に挙がっている
効果測定の難しさ:
- コミット数やコード変更量などの従来指標では、AIコーディングアシスタントの効果が明確に現れにくい
- より適切な効果測定指標の開発と導入が継続的な課題となっている
ツールを検討されている方へ
小規模なトライアルから始める: まずは少数のアーリーアダプターで効果を検証し、フィードバックを収集することが重要です。オプティムでは40名から始めて段階的に拡大しました。
ROI算出の方法を事前に設計: 全社導入の承認を得るには、客観的なデータが不可欠です。オプティムの例(類似タスク比較、見積もりとのギャップ、コード量変化)を参考に、自社に合った測定方法を確立しましょう。
経営層への説得は「体感」と「データ」の両輪で: 実際のデモで「革命的」な体験を共有しつつ、具体的な数値で裏付けることで、説得力が増します。
効果測定指標の継続的な見直し: 従来の開発指標では効果が見えにくい場合があります。Four KeysやAI特化の新しい指標など、継続的に測定方法を改善していく姿勢が大切です。
ハイブリッド運用を検討: 単一ツールにこだわらず、コストと機能のバランスを取りながら、複数ツールを組み合わせる運用も効果的です。
今後の展望
オプティムの開発環境改善WGでは、以下の方向性で取り組みを継続しています
- 効果測定の高度化:
- Four Keysなどの新しい開発生産性指標の導入
- AIコーディングアシスタントに特化した独自の計測指標の創出
- 「開発者体験の向上」を定量化する新しいアプローチの模索
- コスト最適化:
- Cline、Cursor、ClaudeCode、CodeXなどの使い分けルールの精緻化
- コストをさらに効率化する仕組みづくり
- 費用対効果を継続的にモニタリングし、経営層へのフィードバック体制の確立
- 組織的な取り組み:
- LLMや新しい技術を積極的に活用し、エンジニアがより本質的な課題に集中できる環境づくりの継続
- データに基づいた意思決定を大切にするカルチャーの維持
- 開発生産性WGとの連携による、包括的な生産性向上施策の推進
AIコーディングアシスタントは、今後も進化を続けるツール群です。オプティムでは、これらの最新技術を積極的に取り入れながら、データドリブンな効果測定と柔軟な運用体制により、継続的な開発生産性の向上を目指しています。

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メンバー / その他 / 従業員規模: 301名〜500名 / エンジニア組織: 101名〜300名
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