株式会社クイックでのDevin活用事例
株式会社クイック / 三木洋司
EM / フルスタックエンジニア / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 51名〜100名
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
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Teamプラン × 2 | 11名〜50名 | 2025年4月 | B to B B to C |
利用プラン | Teamプラン × 2 |
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ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
ツールの利用開始時期 | 2025年4月 |
事業形態 | B to B B to C |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
- エンジニア採用難の現状で、人員調達の代替案が必要
- 限られたリソースでの効率的な開発のため、抜本的な開発手法の変革の必要性
どのような状態を目指していたか
- ジュニアクラスのタスクだけでもDevinに任せ、人員調達が行えない場合でも開発が可能な状況
- エンジニアが並行して複数の実装を進めることができる状態
比較検討したサービス
- GitHub Copilot Coding Agent (Devin導入後の比較となります)
比較した軸
GitHub Copilot Coding Agentならば、すでに利用済みのCopilotの費用の範囲でAIコーディングツールを利用できるため
選定理由
GitHub Copilot Coding AgentはGitHub Actionsとして起動するため
コーディング指示・修正依頼を出した場合に、実行環境構築の待機時間が発生します。
Devinは以下の利点がありました。
- Devinは構築済みの実行環境をロードして起動するため比較的速い
- 一回作業が完了すると、30分の待機状態になる。この間に次の指示を受け付けることが出来る
また、TeamプランのDevinは固定+従量課金ではありますが
- 中央管理のため、使わない可能性のあるアカウント費用などは発生しないこと
- 人員調達費に比べてはるかに安いこと
なども決め手の一つです。
導入の成果
- 効率が上がった、あるいはDevinの改善によりこれから上がりそうという状況になった
- 塩漬けしがちなissueをSlack経由の指示で消化できるようになった
- 物量が多い調査・実装でも素早く対応してもらえて助かっている
- 人員調達の代替とまでは言えないが、なりえる未来が想像できる状況になった
- 現時点でも作業自体は完了する
- 現時点ではPR内容をよく確認し、knowledgeも都度整備していく必要がある
導入時の苦労・悩み
- Enterprise版でなければSAMLログインやセキュリティのSOC2Type2準拠がないこと
- Enterprise版について問い合わせても定型メールの返信があるのみで気軽に利用を開始できなかったこと
- 複数のTeamプランを単一のGitHubのorganizationに接続できるのかどうかが不明だったこと
- 後日不可と判明、organizationに接続できるDevinのTeamアカウントは一つだけです
- 2025年4月時点では国内代理店が存在せず、実質の決済方法がカードのみであったこと
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
横断組織にて調査・導入を決定しているため特に説明はありません。
予算関連の申請時に下記を説明しています。 年間利用分を申請し、特に問題なく導入決定しました。
開発業務におけるAIエージェントの活用
・AIによる指示遂行機能
・指示書の解釈・理解
・指示処理の実装作成
・指示結果の環境反映
チャットツールなどによってAIに指示を送り、15分程度の時間で
指示を遂行・完了報告を行います。
ジュニア(新卒)レベルの遂行能力と言われています。
生産性の向上と、人員調達の代替案としての期待ができます。
活用方法
各開発チームでSlackにDevin連携用のチャンネルを作成し、アプリ経由で指示
よく使う機能
- Devin Session(コーディング機能)
- Knowledge
- Devin Wiki
- 不具合調査・該当箇所の特定など
ツールの良い点
- 指示後の応答が早い
- 低価格での導入が出来る
- 従量課金の中央管理のため無駄がない
- Slackのリプライで指示を出せる
- 大量のコードであっても高速に処理する
- 溜めてしまいがちな小規模のissueを低コストで消化できる
ツールの課題点
- Enterpriseプランの導入が整備されていない
- (Teamプランを利用する場合)knowledgeが共通管理でプロジェクト毎の指示書が入り混じる
- 参考になるドキュメント・コード・knowledgeがない場合はアウトプット精度が低い
- 開発環境がUbuntu上に構築しやすい設計である必要がある
- Secretを時々Secretに扱わない
ツールを検討されている方へ
- 参照できるドキュメント・コード・knowledgeが十分にあれば非常に高速に、精度高く、設計~実装~PR作成を実施してくれます
- 現時点で人員調達の代替とまでは言えませんが、2025年2月から1.0->2.1で進化しており、今後なっていくであろう期待は十分に持てます
- 2025年6月にウルシステムズ株式会社様が国内代理店を開始されました
- Enterprise版はこちらに問い合わせた方が確実かもしれません(未実施です)
- Enterprise版ならDevin上のTeamについて開発プロジェクト毎に分けられると思われます
- 未検証ですがknowledgeの混在問題を回避できるのではないかと思います
こちらのQiita記事に一通りまとめています、よろしければご参照ください
今後の展望
各プロジェクトで利用を開始したばかりではあるので、当面はknowledgeの蓄積と
どういった指示ならDevinが問題なくこなせるのか…を見極めていきます。
リポジトリ内だけでなく、社内ドキュメントにアクセスできれば精度を高められそうではあるので、そういった取り組みも行っていく予定です。
類似製品も増えていくため、常に乗り換えの可能性は念頭に置いて利用を続けます。
株式会社クイック / 三木洋司
EM / フルスタックエンジニア / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 51名〜100名
Human Tech R&D課 課長 兼 技術責任者。 2019年にクイックへ入社し、プロダクト開発や社内基幹システムのフルリプレイスのリードを経て横断的な技術課題解決や社内開発基盤の構築に従事。組織のエンジニア全体の力量をブーストすべく奔走中の日々。 過去には人工衛星のデータ解析やMMOの3Dグラフィックス、ソーシャルゲームのリード/ディレクター、VR機器のデバイス開発など幅広くフルスタックに経験。
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