GitHub Copilotを個人の道具からチームの脳へ 〜カスタムコマンド導入で開発工数を34%削減した話〜
ソフトバンク株式会社 / 内海 志織
メンバー / データサイエンティスト / 従業員規模: 5,001名以上
| 利用プラン | 利用機能 | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
|---|---|---|---|---|
GitHub Copilot Business | Custom Instructions, Custom Prompts | 11名〜50名 | 2025年4月 | B to B |
| 利用プラン | GitHub Copilot Business |
|---|---|
| 利用機能 | Custom Instructions, Custom Prompts |
| ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
| ツールの利用開始時期 | 2025年4月 |
| 事業形態 | B to B |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
当時の状況
全社的なAI利用推進の一環として、IT部門主導でGitHub Copilotの利用環境(セキュリティガイドラインや利用マニュアル)が整備されたタイミングでした。私たちの部署でも開発効率の向上を目的に、プロジェクトへの本格利用を進めました。
ツール導入前の課題
- オンボーディングとルール共有のコスト: プロジェクト独自の設計ルールや文化があるため、新規参画メンバーへの教育コストが高く、レビュアーも逐一ルール通りかを確認する負担が発生していました。
- セキュリティの懸念: エンタープライズ開発においてコード流出は最大のリスクであり、セキュアに利用できる環境担保が必須条件でした。
どのような状態を目指していたか
セキュアな環境を保ちつつ、開発スピード向上とレビュー負荷の低減を目指しました。
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
プロジェクト全体で約34%(月間28時間/人)の開発工数削減を実現しました。 特に定型作業における削減効果が著しく、以下の成果が出ています。
- 関数内の説明文(docstring)生成: 94%削減
- ログ整備: 95%削減
- ユニットテスト整備: 73%削減
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
なし(社内のIT部門主導で整備されたため、ツール選定の余地はなく利用決定)
活用方法
.githubフォルダ配下に、以下のような構成でmdファイルを配置することでGithub Copilotの生成コードを制御しています。
.github/
├ copilot-instructions.md # プロジェクト全体の共通ルール
└ prompts/ # 各作業に特化した「手順書」(カスタムコマンド)
├ docstring.prompt.md # ドキュメント生成用
├ unittest.prompt.md # テストコード生成用
└ logger.prompt.md # ログ実装用
よく使う機能
1. Custom Instructions(全作業共通のルール)
ここには、プロジェクト概要、アーキテクチャ、命名規則など「常に意識してほしいこと」(例:プロジェクト概要、アーキテクチャ、技術スタック、命名規則など)を記述します。
リポジトリ直下に 下記のような.github/copilot-instructions.md を配置し、常にCopilotに読み込ませることで、誰がチャットしてもそのルールが適用された回答が返ってきます。
# 開発者ガイドライン
このリポジトリでは、AI駆動で商用レベルのエージェントパッケージを開発・運用するための各種ガイドラインを定義しています。
以下の目次から各セクションの詳細ページにジャンプしてください。
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## パッケージの目的
本パッケージは、商用レベルの品質を維持しつつ実験・検証を効率的に進められる環境を提供することを目的としています。具体的には、以下を実現します。
- OSSライクな高品質コード(Lint・型チェック・セキュリティチェック・テスト)を前提にビルドできるようにする。
- 検証アプリケーション(Flask API)を使い、結果の再現性や機能改修を容易に行えるようにする
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## 目次
1. [プロジェクト概要](./instructions/project_overview.instruction.md)
2. [コーディングガイドライン](./instructions/coding.instruction.md)
3. [タスク進捗管理](./instructions/task_progress.instruction.md)
2. Custom Prompts(作業ごとの個別ルール)
作業ごとに決まったルールを、個別のプロンプトファイル(.github/prompts/*.md)として切り出して管理しています。これにより、インストラクションの肥大化(トークン圧迫)を防ぎつつ、必要な時だけ呼び出して利用しています。
以下にdocstring.prompt.mdの記述例を示します。このファイル名がそのままコマンドになります(例:docstring.prompt.md → /docstring)。
この関数のドキュメントを生成してください。
# Docstring Style Guide
- Googleスタイルを採用
- Args, Returns, Raises を必ず記載
- 日本語で記述すること
その他にも以下のような作業コマンドの整備をお勧めします。
/docstring: 決められたフォーマットで関数の説明文を生成/logger: 共通ロガーを用いたログ出力コードを挿入/unittest: Given-When-Then構文に則ったテストコードを生成
ツールの良い点
- セキュリティ基準を満たしている点: 社内のコードが学習に利用されないことが明記されており(プライバシーに関する声明)、エンタープライズ企業でも安心して利用できます。
- VS Codeとの親和性: VS Code エディタCopilotが直感的に動作し、誰でも簡単に利用できます。
ツールの課題点
- 大規模コンテキストの理解不足: プロジェクト内のコードが大量にある場合、関連ファイルの読み込み漏れや、文脈理解が不足したコード生成になることがあります。
ツールを検討されている方へ
「手軽に誰でも利用できる」という点において、GitHub Copilotは最初の選択肢として最適です。
ただし、「AIツールを導入して終わり」ではありません。 どのツールを使うにせよ、重要なのは「自分たちのチームの知識(文脈)をどうAIに渡すか」です。ぜひその整備や運用も併せてご検討ください。
TASUKI Annotationの紹介
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▼Github Copilotの整備方法の詳細を弊社テックブログにも掲載しています
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目次
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