あらゆる組織体制に対応できるJiraのタスク管理術
株式会社 朝日新聞社 / tsuruda
メンバー / プロダクトマネージャー / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 51名〜100名
ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
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101名〜300名 | 2019年11月 | B to C |
ツールの利用規模 | 101名〜300名 |
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ツールの利用開始時期 | 2019年11月 |
事業形態 | B to C |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
朝日新聞デジタルのサイト立ち上げ当初、システム開発の多くを外部に委託していました。しかし事業の拡大にともない、サービス改善のスピード感に対する課題が生まれたため、開発を内製化する体制を構築。そのタイミングで、スクラム開発に適したツールを一気に導入しました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
ドキュメント管理ツールとしてすでにConfluenceを導入していたため、ツール統一の観点からJiraを採用したい旨を説明しました。
社内・チームへの展開
Jiraの利用経験のある方にレクチャー動画を作成してもらい、新メンバー参画時にオンボーディングのひとつとしてその動画を見てもらうようにしていました。
活用方法
チームによって使い方は異なりますが、スクラム開発を取り入れている場合は下記のような使い方をしています。朝日新聞デジタルの開発チームでは、目的ごとにサブチームを設けています。
スクラムイベントにて使用している機能
- プロダクトバックログリファインメント時に、「バックログ」にてチケットを作成
バックログリファインメントや、日々の業務の中でタスクが発生した時はまずバックログにチケットを作成します。
2. スプリントプランニング時に、チケットを各スプリントに配置
プロダクトオーナーは、優先度およびチームのこれまでの実績を踏まえ、次のスプリントで消化したいチケットを配置します。スプリントは将来分も設定することができるので、スケジュール管理にも役立てています。
また、エピック配下に「ストーリー」としてチケットを作成しているのですが、開発者はストーリーをさらに細かい実作業可能な子チケット「サブタスク」に分解します。
3. 朝会時に「ボード」を用いてタスクの進捗確認
サブチームごとにチケットを出し分けて表示させたいため、フィルタクエリという機能を使って表示チケットを自由に制御しています。
各開発者のスプリント内での作業状況を確認したいときはグループ分けを「担当者」に、案件ごとに確認したいときは「エピック」にするなどしてシーンによって使い分けています。
4. 「リリース」にてリリースバージョンの管理
エピックやチケットにリリースバージョンを紐付けられるので、リリース内容の把握、タスク遅延の認知に役立てています。
そのほか便利機能
- GitHubとJiraを連携することで、プルリクエストとチケットを紐づけられるようになるため、デプロイ状況の把握が容易
- SlackとJiraを連携することで、スプリント内のタスクのステータスを瞬時に把握することが可能
- 自動化の機能を使ってチケットを自動生成することで、定例作業の実施漏れを防止
よく使う機能
- ボード
- フィルタクエリ
- 自動化
ツールの良い点
- あらゆる組織体制に対応可能
フィルタクエリを使うことで、同じプロジェクト配下でもサブチームごとにボードを作成することができるため、タスク管理を分割することができます。さらに細かなクエリを設定すると「プロジェクトAとBのPMのタスクだけを表示する」といったことも可能。自由にクエリを設定できるこの機能は、Jiraの最大のメリットかもしれません。
2. 細やかな権限管理が可能
Jiraでは権限グループを作成できるため、特に大規模な組織においては有効です。さらに、グループごとに「スプリントの開始/完了」や「チケットの作成/削除」といった細かい粒度で権限を付与することができるため、役割や責任に応じた権限設定が実現できます。
3. 積極的なアップデート
最近ではカレンダー機能が追加されたため、リリースのスケジュール管理に役立てています。そのほか新たな機能も続々と登場しています。
ツールの課題点
- シンプルに使うには多機能すぎる
サイドメニューやヘッダーメニューにさまざまな機能が並べられていますが、普段使っているのはそのうちの数えられる程度。新規参画者などが画面上で迷子になってしまいがちです。
2. 初期段階で機能を理解しておく必要がある
新規にプロジェクトを作成する際のテンプレートやプロジェクトタイプは、後から変更することができません。そのため、一からプロジェクトを作成しなおさないといけないケースもありました。
その他
失敗してしまったエピソード
企業管理対象プロジェクトでは、管理配下のプロジェクトにスキームという単位で設定を共有することができます。当初はその仕組みの理解ができておらず、とあるプロジェクトが開発プロセスの変更に合わせて設定を変えてしまい、他のプロジェクトにも影響が出てしまったということがありました。
現在は、企業管理対象プロジェクトでは設定が共有されているということを周知し、個別に設定を変更したい場合は新しいスキームを用意することで対処しています。
ツールを検討されている方へ
これまでさまざまなタスク管理ツールを使ってきましたが、Jiraの最大のメリットは高いカスタマイズ性だと思います。チームの成長や組織の体制変更にともない、タスク管理のニーズも変化していきますが、Jiraであればあらゆるパターンに対応できます。
一方で、細かなカスタマイズが可能であるがゆえの複雑性も存在するので、都度ルールを決めておくことをおすすめします。特に大規模な組織や頻繁に体制変更がある組織の方々は、Jiraの活用をぜひ検討してみてください。
株式会社 朝日新聞社 / tsuruda
メンバー / プロダクトマネージャー / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 51名〜100名
2017年に技術職採用で朝日新聞社に新卒入社し、WEBメディアの開発・運用に従事。その後、企画職にキャリアチェンジし、朝日新聞デジタルアプリや週刊英和新聞のデジタル版Asahi Weekly Digitalの開発チームPOとしてグロースハックを担当。現在は、KPIの運用やデータ分析などを通して事業戦略の検討に取り組んでいる。
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