Retty株式会社のLightdashの導入事例
Retty株式会社 / Hiroki Igeta
メンバー / データエンジニア / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 11名〜50名
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 |
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Cloud Starter | 51名〜100名 | 2023年2月 |
利用プラン | Cloud Starter |
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ツールの利用規模 | 51名〜100名 |
ツールの利用開始時期 | 2023年2月 |
アーキテクチャ
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
全社でデータの利活用推進をするにあたり、元々使っていたBIツールでは、ちょっとダッシュボードを見たいだけのライトなユーザー層に対する費用対効果が合わず、ツールの展開が難しい課題がありました。
そこで下記2点を実現できる状態を目指し、ツール移行の検討を行いました。
- 元々使っていたBIツールの移行後も、これまでモニタリングしていた各種指標を継続してウォッチできる状態。
- 生のSQLを使った分析に慣れない層もBIツールを用いて、自ら分析を広げられる状態。
比較検討したサービス
- Looker ※元々使っていたBIツール
- Looker Studio
- Tableau
- Redash
比較した軸
- 定期的に利活用されているダッシュボードの移行可否
- 元々使っていたBIツールで利用頻度が高い機能が使えるか
- データガバナンス
- ランニングコスト
選定理由
企業単位での課金形態
ユーザー1人当たりへの課金ではなく企業単位での課金となるため、BIツールの利用ユーザーを増やすにあたり追加予算が発生せず、データの利活用推進の後押しになると考えました。
dbtとのシームレスな連携
Lightdashで利用するテーブル・カラム・指標のロジックや説明文について、dbtで利用しているSQLおよびYAMLファイルで管理できるため、整備の効率化と負担を減らすことにつながると考えました。
また、変更を本番環境へ反映する前に、壊れるダッシュボードがないかチェックしたり、検証環境を立ち上げることが可能な点も開発者にとってプラスになると考えました。(CLIを用いたValidation・Preview機能)
導入の成果
どのような成果が得られたか
BIツールを使って分析するユーザー数を増やせたうえに、費用を50%以上削減できました。
dbtとの親和性から移行前よりも、チャート・ダッシュボードの作成や更新サイクルが回しやすくなりました。
加えて、移行に際し不要なダッシュボードの棚卸しもできました。
導入時の苦労・悩み
元々使っていたBIツールで利用していた機能の一部が、Lightdashでは利用できなかった点に苦労しました。
具体的には、BIツール上で計算した結果同士を組み合わせて可視化する機能(Merge Results機能)がなく、新たにdbt model 整備を行う必要性が発生しました。
手間ではありましたが、BIツール側の複雑なロジックを減らすことに繋がり、データガバナンス観点では良かったと感じています。
また、YAMLの記載を追加する必要があるカラムも多く苦労しました。
Lightdash CLIや、dbt-osmosisのライブラリを活用して、YAMLの手入力が必要な箇所を減らせるように工夫しました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
元々使っていたBIツールで利活用されていた大部分の機能はカバーできる点、費用も50%以上の削減となる点からスムーズに移行の承認を得られました。
活用方法
よく使う機能
- ダッシュボード
- KGI/KPIや各施策、BigQuery利用状況を可視化したダッシュボードなどをSlackのチャンネルに定期投稿してモニタリングしています。
- 出力結果の粒度を、ワンタッチでdailyからmonthlyへ適宜変更できるため、ダッシュボードの乱立を抑えることができ重宝しています。
- Query機能
- 簡単なデータ出しに利用しています。BigQueryのGUIでクエリを書かずに可視化まで行えて便利です。
ツールの良い点
- 企業単位での課金形態
- ユーザー1人当たりへの課金ではないため、BIの利活用を推進するにあたり追加予算が発生しません。
- dbtとのシームレスな連携
- Lightdashで利用するテーブル・カラム・指標の定義は、dbtで利用しているsqlおよびYAMLファイルで管理できます。
- テーブルやカラムのメタデータ整備が、BIツール利用者の体験改善に繋がりやすいです。
- Validation・Preview機能で、本番反映前に壊れるダッシュボードがないかのチェックや挙動確認を行うことが可能です。
- Lightdashで利用するテーブル・カラム・指標の定義は、dbtで利用しているsqlおよびYAMLファイルで管理できます。
- Slackへの定期ポスト
- 作成したチャートやダッシュボードをSlackに定期ポストすることができます。
- 機能改善のスピード
- 現在は月に1-2回ほどのペースでLightdashの機能追加・改善が行われています。
- ちなみに、開発ロードマップもあり参考になります。
- LightdashのSlackコミュニティから開発者の方へ質問や要望も出すこともできます。
- 現在は月に1-2回ほどのペースでLightdashの機能追加・改善が行われています。
ツールの課題点
- クエリ実行の挙動
- 発行されるクエリ結果の条件(ORDER BYやLIMIT)や、ダッシュボードのフィルタ条件を変更する度にクエリが実行されてしまいます。
※想定外の請求を避けるため、1実行あたりのスキャン量上限を定めることは可能です。
- 発行されるクエリ結果の条件(ORDER BYやLIMIT)や、ダッシュボードのフィルタ条件を変更する度にクエリが実行されてしまいます。
- ダッシュボードの見た目
- チャートやマークダウンの配置・サイズ調整がやや行いづらいです。
ツールを検討されている方へ
dbtを利用しており、データ利活用やセルフBI化を推し進めようとされている企業と非常に相性が良いツールでおすすめです。(OSS版もあるため、無料で試すことも可能です。)
また、以前イベントでLightdashを紹介した際のRetty Tech Blog記事もよかったら参考にしてください。
今後の展望
Lightdashでデータ分析・探索できる領域を増やすことで、意思決定の早さ・正確性の向上に貢献していきたいと考えています。
Retty株式会社 / Hiroki Igeta
メンバー / データエンジニア / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 11名〜50名
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目次
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