スモールスタート可能で依存度が低く移行しやすいBaaS
株式会社アンドエーアイ / NishiMao
CTO・VPoE
利用プラン | 利用機能 | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
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プロプラン | Database, Database Function, Authentication, Storage | 10名以下 | 2023年6月 | C to C |
利用プラン | プロプラン |
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利用機能 | Database, Database Function, Authentication, Storage |
ツールの利用規模 | 10名以下 |
ツールの利用開始時期 | 2023年6月 |
事業形態 | C to C |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
- 保守性を高くするために、利用サービスは減らしてシンプルな構成に
- 通知だけはFirebaseがベストなのでその部分だけFirebaseを利用
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
- 自社プロダクト「フーコスメ」でFirebaseを使用していたがSNS機能においてクエリによる検索が弱かった
- カテゴリ検索などでFirestoreだと個数の制限があったり、複数のクエリによる検索が不可能だった
どのような状態を目指していたか
- クエリを使用した自由で強い検索機能
- サービス拡大時に読み取りや書き込みによる料金が膨大にならないこと
比較検討したサービス
- Firebase
- Supabase
- AWS Aurora
- GCP CloudSQL
- Algolia
- Fly.io
比較した軸
- 料金
- RDBであること
- Firebaseからの移行のしやすさ
- 保守性(開発のしやすさや使いやすさ)
選定理由
RDBが提供されていて、かつ料金が安くフリープランでできることの幅が広い
- Unlimited API requests
- 50,000 monthly active users
- 500 MB database space
- 2 Core shared CPU • 1 GB RAM
OSSであること
- サービスが仮に終了した場合も自前で環境構築して利用することができる
移行ツールやドキュメントが充実している
AuthやStorageなど自社プロダクトが必要とする機能が用意されている
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
- 検索機能に関してはRDBなのでどのような要件でも耐えられるようになりました。
どのような成果が得られたか
- 元々お客様からご要望をいただいていた「検索」や「並び替え」の機能を提供できるようになり、顧客満足度の向上に繋がりました。
- Supabaseに関する知見が貯まり、Supabaseの公式認定パートナーに選定もされたので自社プロダクトだけではなくお客様へも提案ができるようになりました。
導入時の苦労・悩み
Supabase Authのuidは自動生成しかないので、Firebase Authのuidをそのまま利用することができませんでした。そのためIDの書き換えが発生し、データの置換やユーザーにも再認証を強いることになってしまいました。しかしFirebaseからSupabaseへの移行のドキュメントは充実していたので、それ以外は比較的スムーズでした。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
今回は「複数条件での検索機能」や「登録コスメの並び替え」という必達要件があったので、それを叶えるために何らかのツールを入れなければいけないことが明確になっていました。その上でFirebaseを引き続き利用して、一部にSupabaseやAlgoliaを利用するという掛け合わせのパターンや、AWS Aurora、GCP CloudSQLなど有名で一般的なクラウドサービスも案に上がりました。 しかし今回の「フーコスメ」というプロダクトは当時立ち上がったばかりで、ユーザーも数千人程度の小規模なものでしたのでまずはなるべく費用を抑えられるものが良いという点と、移行のしやすさといった点でSupabaseが圧倒的にずば抜けていたので、あとは「新しいプロダクトを使う」というリスクをどう捉えるかの問題だけでした。 弊社は新しい技術を積極的に取り入れる文化があり、挑戦に対しては肯定的なので、社内協議の上でSupabaseを利用してみようということになりました。
活用方法
よく使う機能
Database(Database function)、Storage、Authentication
ツールの良い点
- アップデートが頻繁にある
- Flutterで利用する時にネイティブ依存がなく相性が良い
- ドキュメントが充実している
ツールの課題点
- キャッシュ機能がない
- EdgeFunctionがNode.jsではなくDenoであること
ツールを検討されている方へ
Google I/O 2024にてFirebase Data Connectが発表され、FirebaseでもRDBが使えるようになるという話題がありますが、現段階では料金面でもSupabaseが優位にあります。Supabaseを利用したことがない企業でもぜひ勇気を出して導入をご検討ください。アンドエーアイでは自社プロダクトでも採用していますが、スムーズに導入から運用に至っており、結果として採用して良かったなと思っています。 2024年にβ版から一般提供に切り替わったことで企業での採用もしやすくなったと考えています。
今後の展望
Supabaseが力を入れているDatabaseVectorやAI ToolKitを活用してさらにSupabaseを活用したシステム開発の可能性を広げていきたいと考えています。
株式会社アンドエーアイ / NishiMao
CTO・VPoE
株式会社アンドエーアイの代表取締役社長 Flutterでのモバイルアプリ開発および生成AI活用の事業を行う 勤怠管理システム「カンリル」を運営
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株式会社アンドエーアイの代表取締役社長 ...
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