yamoryの導入で脆弱性管理工数を月35人日も削減することに成功
サイボウズ株式会社 / hnagatomo
セキュリティエンジニア / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 301名〜500名
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 |
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Enterprise | 101名〜300名 | 2021年1月 |
利用プラン | Enterprise |
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ツールの利用規模 | 101名〜300名 |
ツールの利用開始時期 | 2021年1月 |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
yamory導入前は、OSSの管理を手動で行っていたため、それらの管理をするのにかなり手間がかかっていました。
また、開発チームから提出された、それぞれの製品で利用しているOSSのリストをもとに、PSIRTが定期的に脆弱性が公表されていないか確認を行っていたため、脆弱性情報が公表されたあと迅速に脆弱性の連絡が行えないことも課題の一つでした。
そのため、開発チームが利用しているOSSを漏れなくダブりなく列挙できること、また利用しているOSSの脆弱性情報を可能な限り早期に把握できるようにすることを目指して導入検討がスタートしました。
選定理由
yamory導入の決め手は、使い勝手の良さや、PSIRTの業務の一部を減らせる見込みが立ったためです。
また、様々なパッケージ管理システムに対応していることや、CIへの組み込みやすさ、SAMLでのSSOに対応していることなども決め手となりました。
導入の成果
PSIRTでのOSSの脆弱性管理工数を月35人日ほど削減できました。
また、脆弱性情報が発覚した際、すぐに開発者に通知が送信されるため、脆弱性を認識するまでの時間も短くなったものと思われます。さらに、利用中のOSSにゼロデイが発覚した際、どのチームがそのOSSを利用しているかの把握が容易に行えるようになりました。
さらに、以前は開発チームから利用OSSの情報提出を行っていましたが、yamoryを導入したチームでは提出が不要になったため、開発チームでの管理工数も減ったと思われます。
導入時の苦労・悩み
導入にあたって、開発チームにこれまでやっていたこととは違うことをやってもらう必要があったので、最初の説明が少し大変でした。とはいえ、yamoryの導入自体には開発チームにもメリットがある内容だったのと、yamoryのマニュアルが充実していたこともあり、スムーズに導入できました。
また実際の各チームへの導入・活用推進では、まずはyamoryのメリットや使い方を説明し、使いたいと手を上げてくれたチームにアカウントを配布していきました。利用を開始した開発チーム内でメリットが認知されると、徐々にほかのチームでも利用したいとの声が上がるようになりました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
マネージャ陣がOSS管理の必要性を認識していたので、スムーズに導入検討が進みました。 また、一部チームで実施したテスト導入の情報なども踏まえ総合的に判断されました。
活用方法
PSIRTでは、定期的にyamoryのダッシュボードを確認し、注意すべき脆弱性がないかを確認しています。開発チームでは、定期的にアプリやコンテナのスキャンを行い、その後受信した脆弱性情報をトリアージレベルに応じて対応しています。
よく使う機能
1. ダッシュボード機能
すぐに確認すべき脆弱性がいくつあるかや、各製品チームの対応状況が一目でわかるため、とても便利に使っています。
2. オートトリアージ機能
検知された脆弱性をyamoryが自動でトリアージをしてくれます。トリアージをしてくれるおかげで、どの脆弱性から対応すべきかが分かりやすくなります。また、オートトリアージ機能ではCISA KEVカタログ(https://www.cisa.gov/known-exploited-vulnerabilities-catalog )を利用したトリアージも実施されているため、特に優先して対応すべき脆弱性が分かりやすいのも利点のひとつだと思います。
ツールの良い点
使用開始までのハードルが低い
アカウントを発行した後の、スキャンを実行して脆弱性を検知する流れが非常にスムーズで、迷うことなく利用を開始できるのは良い点のひとつだと思います。オートトリアージ機能が便利
様々な観点をもとに脆弱性に優先順位のラベルを付けてくれるので、それぞれの脆弱性への対応順を決定しやすいです。
ツールの課題点
検索機能の弱さ
アプリライブラリやコンテナライブラリを横断的に検索できると、さらに利便性が上がると思います。APIが少し物足りない印象
コンテナイメージやIT資産もAPI経由で情報の取得ができるようになると、より活用の場面が増えるように思います。
ツールを検討されている方へ
yamoryは、OSSに関連するリスクや管理の手間を低減するのに大いに役立つツールだと思います。
・利用しているOSSの管理、およびOSSの脆弱性管理
・脆弱性対応の優先順位付け
・EOLやライセンスの確認
に課題感を感じている、改善していきたいと思っている組織には是非導入をおすすめしたいです。
また、SPDXやCycloneDXといったメジャーなフォーマットでSBOMを入出力する機能も追加されていますので、SBOM対応を検討されている組織でも利用するメリットがあると思います。
サイボウズ株式会社 / hnagatomo
セキュリティエンジニア / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 301名〜500名
2017年1月にサイボウズに中途入社。開発本部Cy-PSIRTにてプロダクトセキュリティを中心とした業務に従事。
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目次
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