Musubi AI 在庫管理のインフラアーキテクチャ図
アーキテクチャの工夫ポイント
カケハシは「日本の医療体験を、しなやかに。」をミッションとし、服薬指導のサポートも行えるクラウド型電子薬歴システム「Musubi」、薬局と患者さんをつなぐおくすり連絡帳システム「Pocket Musubi」、薬局向けの在庫管理・発注システムである「Musubi AI在庫管理」などを開発しています。
Musubi AI在庫管理は、AIによる高精度な需要予測により、これまで人的オペレーションに依存していた発注業務を半自動化し、薬局の業務効率化と医薬品の欠品・在庫リスク軽減を実現しています。
アーキテクチャ選択の背景や意図は大きく3点あります。
マネージドサービスの積極採用
Musubi AI 在庫管理には、一般的な医薬品の在庫管理システムとして開発当初から必要とされていた機能が多くあり、これまでたくさんの機能追加を重ねてきました。ユーザーヒアリングやユーザーモニタリングから得られたフィードバックを基に要件を固め、素早く開発をして顧客価値の提供につなげるため、 LambdaやMWAA、Glue等のマネージドサービスを積極的に採用し、機能開発に注力できるようにしています。独立したアルゴリズム開発
Musubi AI 在庫管理の一番の強みであるAIによる需要予測については、データサイエンティストや機械学習エンジニアがアルゴリズムを開発しています。アルゴリズムの開発はWebアプリケーション開発とは開発サイクル等が異なるため、MWAAやGlueを用いてデータ連携基盤を用意し、独立して開発が行える環境を用意しています。なお、機械学習、推論処理はStep Functionsを利用して効率的に処理を実行しています。データレイクハウスの活用
アジャイルにおける素早い価値提供の中で、PdMやデータサイエンティスト等がデータドリブンで意思決定を行うデータ基盤は必要不可欠です。一方で、Musubi AI 在庫管理で扱う処方箋等のデータは個人情報の中でも機微情報に当たるため、取り扱いには細心の注意が必要です。そこでMusubi AI 在庫管理ではデータ基盤としてDatabricksを採用し、適切な権限制御や匿名化を行いつつ必要なデータに素早くアクセスできる基盤を整えています。
現在のアーキテクチャの課題と今後の改善予定
徐々に導入いただく薬局さまも増え、その規模も大きくなる中で、大企業特有の機能追加を随時行っている最中ではあるものの、当初想定していた機能についてはある程度揃えることができてきました。機能追加を優先する必要があった初期開発フェーズから、長期的に効率よく保守運用するフェーズに移行するにあたり、システム全体をシンプルに再構築する必要があると考えています。
また、これまでのAI在庫管理の開発で得た知見とデータを元に、より良いAIサービスへ拡充する検討も進んでおり、社内の他プロダクトとの連携などにも注力していくことになると考えています。
◆執筆:Service Development Division, SCMドメイン, ソフトウェアエンジニア 沖 卓生 @takuokl
【サービス公式サイト】
https://musubi.kakehashi.life/ai-zaiko
アーキテクチャを構成するツール
監視・オブザーバビリティ
Datadog
データ基盤
Databricks
AWS AppSync
サーバレス
AWS Glue
サーバレス
AWS Lambda
データベース
Amazon Aurora
サーバレス
Amazon S3
AWS Step Functions
会社情報
株式会社カケハシ
カケハシは「日本の医療体験を、しなやかに。」をミッションとし、服薬指導のサポートも行えるクラウド型電子薬歴システム「Musubi」、薬局と患者さんをつなぐおくすり連絡帳システム「Pocket Musubi」、薬局向けの在庫管理・発注システムである「Musubi AI在庫管理」などを開発しています。 Musubi AI 在庫管理は、AI による高精度な需要予測により、これまで人的オペレーションに依存していた発注業務を半自動化し、薬局の業務効率化と医薬品の欠品・在庫リスク軽減を実現しています。