Amazon Bedrock Agentsで化粧品推薦AIを構築!月2500円節約を実現したローコード開発体験
株式会社Insight Edge / miran tsukagoshi
メンバー / フルスタックエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
| 利用プラン | 利用機能 | ツールの利用開始時期 |
|---|---|---|
従量課金プラン | Amazon Bedrock Agents | 2025年5月 |
| 利用プラン | 従量課金プラン |
|---|---|
| 利用機能 | Amazon Bedrock Agents |
| ツールの利用開始時期 | 2025年5月 |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
- サーバーレス・マネージド構成 : Amazon Bedrock Agentsで自律的なAIエージェント構築とその利用までマネージドサービスで完結できる。利用時はAWS Management Consoleで直接アクセスする。
- 外部サービス連携: LLMの知識やユーザーの入力だけでは不十分な情報を、Lambdaを使ってAPI経由で外部サービスから収集。
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
個人的な化粧品選びの課題をAIエージェントで解決したいという動機から始まった個人プロジェクトです。日常の悩みをAIエージェントで解決できないかと考え、Amazon Bedrock Agentsというツールを導入しました。個人的な学習も兼ねた取り組みとして、実験的に構築を行いました。Amazon Bedrock自体は、会社の業務で既に導入・利用していたため、Amazon Bedrock Agentsの導入にハードルはありませんでした。
ツール導入前の課題
- 複雑なAIエージェント構築の技術コスト: 従来のスクラッチ開発では、AIが複雑なタスクを遂行できるロジックを自分で考え、多数の構成要素を微調整して精度を上げていく必要がある、個人プロジェクトでの限られた時間・リソースでの本格的なAIエージェント開発は容易ではなかった。
どのような状態を目指していたか
- ローコードでの簡単開発: プログラミング負荷を最小限に抑えたAIエージェント構築
- 使い物になる実用的なAIエージェント: 試作で終わらず、実際に日常で活用できる品質のAIエージェントシステム構築
比較検討したサービス
スクラッチ開発で使っていた以下と比較しました。
- API:
- Azure OpenAI Service (AOAI)
- Amazon Bedrock API
- 開発手法:
- LangChain
- LangGraph
比較した軸
- ローコード開発の容易さ: プログラミング負荷を最小限に抑えられること
- 自律的エージェント機能: プロンプトベースの自然言語で複雑なタスクを自律的に遂行できること
- 外部API連携: Web検索API等の連携可能性
- カスタマイズ性: 独自のロジックや処理フローを組み込めること
選定理由
- プロンプトベースの開発: 複雑なロジックを自然言語で記述するだけで、自律的に動くAIエージェント開発が可能
- GUIベースの設定容易性: AWS Management Consoleで直感的に開発・管理、そして構築したシステムの使用まで可能
- アクショングループ機能: Lambda関数連携による外部API呼び出し、独自ロジックの組み込みが可能
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
- 複雑なロジック実装の技術的ハードル: 90%解決。プロンプトベースで複雑なロジックを自然言語で記述し、効率的に実装することが可能になった。ローコードによるプログラミングの負担の大幅に削減できた。さらに、AWS Management Consoleで構築からシステムの利用までを一貫して行えるため、構築の手間も大幅に削減できた。
- 構築工数とリソースの制約: 50%解決。自律的に動くAIエージェントが数時間で構築できた。しかし、高品質で実用的なAIエージェントを構築する場合はLangChain等のスクラッチ開発と同じくらいコストがかかった。
どのような成果が得られたか
- 実用的なシステム構築の成功: 月2500円のコスト削減を実現する化粧品推薦AIエージェントを構築できた。
- 技術的知見の獲得: ローコードエージェント開発のノウハウ蓄積と社内展開。今後の類似プロジェクトへの応用可能性が広がった。
導入時の苦労・悩み
環境構築には苦労しなかったのですが、導入前に掲げていた「実際に日常で活用できる品質のAIエージェントシステム構築」を実現するためには以下の苦労がありました。
- カスタマイズできない制限: 反復数やMAXトークン数の上限でタスクの完遂前に停止してしまう
- プロンプト調整の試行錯誤: 期待する品質のレポート生成のための詳細な指示作成
- 出力形式制御の困難: ファイルの形式や出力量のコントロールに工夫が必要
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
個人プロジェクトのため、組織へのAmazon Bedrock Agents導入の説明は不要でした。
活用方法
個人で月1-2回程度、構築した化粧品推薦AIエージェントの使用時に活用。追加開発や別プロジェクトでの利用はしていない。
よく使う機能
エージェント向けの指示(プロンプト)機能
- 複雑なロジックを自然言語で記述
アクショングループ連携機能
- Lambda関数連携
- Code Interpreterの有効化
ツールの良い点
- ローコードAIエージェント開発の実現: プロンプト指示だけで複雑なタスクを自動実行。自然言語だけで自律的に行動してくれる。
- GUIで完結: AWS Management Consoleでシステム開発からシステム利用まででき、構築の負荷が軽減。
- LLM利用の容姿さ: Amazon Bedrockが提供するLLMを簡単に組み込める。
- カスタマイズ性: Lambda関数経由で外部サービスとの連携や、独自ワークフローの組み込みが可能。
ツールの課題点
- 制限: カスタマイズできない制限があり、工夫をしないと複雑タスクが完遂できない。
- 出力形式制御の困難: ファイル出力や出力量の細かい制御が難しい。
ツールを検討されている方へ
タスクの完遂に多くの反復を要したり、出力内容にこだわりたい場合には、最初からスクラッチで開発した方が良いと感じました。一方で、単発で完遂できるタスクだったり、出力内容にそれほどこだわらないタスクであれば、Amazon Bedrock Agentsを有効活用できると感じました。構築は非常に容易なので、プロジェクトが本格化する前のデモとして使う程度ならいいなと思いました。 また、Microsoft Copilot StudioやAzure AI Foundry Agent Serviceといった他のクラウドベンダーが提供するローコード製品も視野に入れて比較検討することをお勧めします。
今後の展望
Amazon Bedrock Agentsと他社のローコード製品を比較検討したいと思います。今回構築した化粧品推薦AIエージェントの有効性は確認できたので、より優れた製品が見つかれば移行することを検討しています。そして、次のステップとしてレストラン推薦など、ユースケースの拡張を検証する予定です。
株式会社Insight Edge / miran tsukagoshi
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