ソフトウェアデリバリパフォーマンス指標の導入とAutifyを活用したE2E試験の改革
株式会社パーソルキャリア / akisol4321
テックリード / テックリード / 従業員規模: 5,001名以上
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 |
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Autify for Web Advanced | 11名〜50名 | 2022年11月 |
利用プラン | Autify for Web Advanced |
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ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
ツールの利用開始時期 | 2022年11月 |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
社内のセキュリティ規約上、会社ADでのSSOログインが必要だったのと、検証環境はIP制限しているものもあるので、Autifyの固定IPで穴開けを実施しています。
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
Autifyの導入以前は2週間に1度、100以上あるリリース前試験シナリオを手動でWebサイトを操作して実施しており、QAチームのリソースやテストスケジュールが逼迫するといった問題がありました。
そのため、リリース前試験に4〜5人日ほどの工数が掛かっており、QAリソースを圧迫するだけでなくビジネス施策をタイムリーに市場投入する機会を逃してしまっている状態でした。
そこでリリース前試験を全て自動化できる状態を目指して、Autifyの導入を検討しました。
比較検討したサービス
比較した軸
- 機能・運用面
- テストシナリオ作成とメンテの容易性
- メール試験を含むセキュリティ障害防止試験の大半を自動化できそうか
- 手続き面(外部Webサービス利用申請) - SaaSの場合
- Azure ADでSSOログインできるか
- テスト対象サイトへ通信する際の要件 (接続元のIPアドレス制限可能か等)
- セキュリティチェックシートを記載してもらえるか (≒サポート体制が十分か)
- その他
- 料金
選定理由
- テストシナリオ作成・メンテが容易であること (エンジニアでなくても作成できそう)
- サポート体制がしっかりしている (トライアル実施前のサポートが充実)
- 機能面が充実していてノックアウトファクタがない (リリース前試験の自動化ができそう)
導入の成果
Autifyの導入によって工数は着々と短くなっており、削減できた工数を他作業に回せています。しかし、テスト期間は理想としていた1日にはまだ届いておらず2〜3日程度になっています。Autify以外の課題もあるため、ここは今後の継続課題となっています。
導入時の苦労・悩み
シナリオのメンテナンス性
導入時に苦労した点としてシナリオのメンテナンス性があります。
自動化しようとしているリリース前試験では、転職希望者の方が求人情報を検索する操作など利用頻度の高い操作が多かったため、他シナリオでも必要になるものは積極的にステップグループにまとめていきました。
求人情報を検索する部分でも、以下のようにステップグループも細かく作っていき、汎用性を高められるようにしました。
- 求人検索画面に移動する
- 求人検索条件を設定する
- 求人検索ボタンを押下する
また、ステップグループ作成時の命名にも一定のルールを定め、作成者がすぐに探して使用できるようにしました。ステップグループを活用するとメンテナンス性や作業性の向上につなげられ、継続開発していく中でアプリ側に変更があった際にテスト修正の対応を小さくすることができます。
#### シナリオ実行の並列性 もう1つ悩んだ点として、シナリオ実行の並列性があります。
Autifyのテスト実行には直列実行と並列実行があり、直列実行は登録されたシナリオを1つずつ順番に実行できます。並列実行は、複数のシナリオを同時に実行することができ、契約プランにより同時実行数が決まっています。
私たちは、シナリオ数が多く直列だと実行時間が長くなりすぎるため、なるべくシナリオを並列化する必要があったのですが、シナリオを並列実行した際に以下のような問題が発生することもありました。
- バッチでメール送信した際に同時に実行している他シナリオのアカウントにメールが送信されてしまい、誤ったメールを開封してメールの中身確認がされてしまう。
- シナリオ間の疎結合性を高めるために、シナリオ実行のたびにアカウントを作成していたが、一部のアカウント作成に必要な承認処理を行う画面では検索機能がなかった。 →そのため並列実行すると複数のアカウント承認申請リストから適切な選択を行うことができずにテストが失敗してしまった。
これらの問題を解決するためにバッチや承認画面などにシナリオを並列実行できるようにするための機能を追加して対処しました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
費用対効果(ROI)はAutify利用料と以下の効果を比較して、回収期間(2年)内にプラスとなる想定で説明を行いました。
- リリース前試験を5日→1日にしてビジネス施策を1週間早くリリースすることで、売上貢献の上乗せがどれくらいできるか
- リリース前試験を行うQAリソースの工数削減による人件費抑制
活用方法
スプリント期間(2週間)に合わせてQAチームで定期的にテストを実施しています。
よく使う機能
メール開封&中身のチェック機能
dodaXでは転職希望者に対しメール訴求による通知をするため、メールの宛先や本文内容などが意図通りになっているかなどをAutifyを用いてチェックしています。
ツールの良い点
- ビジュアルテスト Autifyはビジュアルテストをサポートし、ウェブページやアプリケーションの外観と動作検証やメールを受信しメール内容の確認も可能です。
- ノーコード/ローコードアプローチ プログラミングスキルがないユーザーでも容易にテストケースを作成することができます。視覚的なユーザーインターフェースを通じて、テストスクリプトを直感的に作成することが可能です。
- 自動テストのメンテナンスをAIがサポート テスト対象アプリケーションに変更が入った際、作成済みの自動テストにはメンテナンスが必要となりますが、AutifyではAIがアプリケーションの変更を検知し、テストの一部を自動で修復し、人手によるメンテナンスの負荷を軽減してくれます。
ツールの課題点
- テストをプランという括りで一括実行をすることはできるが、失敗したテストの一括再実行や選択して部分再実行の機能がないため、失敗したテストは一つずつ再実行する必要があるところ
- 実行時間がかかるため、1日に何度もテストできるなどの柔軟性はない
ツールを検討されている方へ
ステップグループの活用は大きな鍵になると感じているため、導入の初期段階でどのようなかたまりでグループを作成していくかなど検討していくことをお勧めします。
株式会社パーソルキャリア / akisol4321
テックリード / テックリード / 従業員規模: 5,001名以上
新卒で自動車部品会社に入社。その後、外資系コンサルティング会社にエンジニアとして入社し大規模マイグレーション案件などに従事。2023年にパーソルキャリア入社。現在はテックリードとして、開発プロセス改善、プロダクト開発、運用などと一気通貫で担当
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- 導入の背景・解決したかった問題
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