IAM Identity Center の権限体系改善
BABY JOB株式会社 / 大谷優多
メンバー / インフラエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
| ツールの利用規模 | 事業形態 |
|---|---|
| 11名〜50名 | B to B B to C |
| ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
|---|---|
| 事業形態 | B to B B to C |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
はじめに
本記事は JAWS FESTA 2025 で登壇した下記の内容を元に作成しております。
- https://speakerdeck.com/y___u/iam-identity-center-with-control-tower
- https://zenn.dev/babyjob/articles/244b07a3f91b62
権限設計における意図や工夫
設計にあたっては、AWS のベストプラクティスが実装された AWS Control Tower が展開する標準構成を参考にしました。
Control Tower では、AWSAccountFactory や AWSServiceCatalogAdmins のように役割を細かく分けたグループが複数展開されます。ただ、現在の弊社ではそこまでの役割分担は行っておらず、そのまま適用すると実態に合わない管理対象が増えてしまう懸念がありました。 そこで、運用の実態に合わせて以下の3種類に整理・統合しました。
- 全アカウントに及ぶ基本グループ
- アカウント横断的な権限を許可する際に利用します (例:組織横断的なリソース管理等)
- 役割別グループ
- 個別のアカウントや関心事に限った権限が必要な場合に利用します (例:AI の利用やセキュリティ管理など)
- 事業・所属別グループ
- 担当するプロダクトのアカウントに対し、管理・編集権限を割り当てる際に利用します。
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
見直し当時の課題
弊社では IAM Identity Center 自体は AWS Control Tower とまとめて導入済みでした。 組織規模が小さかった当時は、管理系アカウントのみを分離し、他は個別対応する最小限の運用で支障がありませんでした。しかし、ここ数年で開発組織の人数が倍以上に増加し、新規プロダクトの立ち上げやAmazon Bedrock を活用した生成 AI の利用が本格化しました。これにより AWS アカウントの用途が多様化し、管理すべき境界線が複雑になっていきました。場当たり的な個別対応を続けていれば、いずれ管理が破綻することが予見されたため、組織の成長に合わせた IAM Identity Center 権限体系の設計が必要となっていました。
どのような状態を目指したのか
IAM Identity Center は「誰が」、「どんな権限で」、「どのアカウントに」という 3つの要素を指定することで、利用可能な権限が確定します。今回の再設計では、このバリエーションを適切に押さえ、シンプルではあるが一定の統制が取れている状態を目指しました。
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
一律に権限を付与していた以前の運用から、体系的な整理を行ったことで、組織として安心できる管理体制を実現できました。現在はあらかじめ定めた指針に沿って、シンプルながらも「守るべきところは守る」という統制の取れた運用が定着しています。
どのような成果が得られたか
権限体系の見直しと合わせて CloudFormation による IaC 化を実施したことで、新規アカウント発行時のグループ割り当てなどの作業が効率化されました。役割に応じたグループ整理により運用の迷いもなくなり、実務での負担が軽減されています。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
権限体系を本来あるべき姿に改善する取り組みとして、実施自体は当初より承認を得ていました。 ただし、将来的な運用負荷を抑えるため、IAM Identity Center における権限の組み合わせを必要最小限に絞った、線引きの分かりやすいシンプルな設計であることが求められていました。
活用方法
開発者が担当事業のAWSアカウントにログインする際のポータルとして利用しています。
よく使う機能
- ユーザー管理
- グループ管理
ツールの良い点
- IAM Identity Center の AWS アクセスポータルから管理下のAWSアカウントに容易に接続できる点
- 長期的な IAM ユーザーのアクセスキー・シークレットを発行せずに、CLI やプログラムからAWS に接続する仕組みが備わっている点
ツールの課題点
- IAM Identity Center 自身の技術検証を実施したい場合は、検証用の AWS Organizations を作成するか、AWS Organizations 外のスタンドアロンアカウントを作成する必要がある点
- 許可セットにカスタマー管理ポリシーを適用したい場合は、事前に管理下の AWS アカウントにポリシーを配布する必要がある点
ツールを検討されている方へ
中小規模な組織であったとしても、従来の IAM ユーザーの運用と比較すると十分な恩恵が受けられるAWSサービスです。運用の実態に合わせたシンプルな構成から始めて、組織の拡大に合わせて段階的に改善していくアプローチがよいと考えます。
今後の展望
今後は組織の成長に合わせて、現在は手動で行っているユーザー管理などの運用面についても、少しずつ仕組み化を進めていければと考えています。
BABY JOB株式会社 / 大谷優多
メンバー / インフラエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
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BABY JOB株式会社 / 大谷優多
メンバー / インフラエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
目次
- アーキテクチャ
- 導入の背景・解決したかった問題
- 活用方法


