Bitrise の MCP を接続したエージェントを導入し、非エンジニアによるビルドエラーの自己解決を支援
株式会社ヤプリ / atsushi130
テックリード / テックリード / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 51名〜100名
| 利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
|---|---|---|---|
Pro プラン | 10名以下 | 2020年 | B to B |
| 利用プラン | Pro プラン |
|---|---|
| ツールの利用規模 | 10名以下 |
| ツールの利用開始時期 | 2020年 |
| 事業形態 | B to B |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
※ 本記事では、アーキテクチャの青い線にフォーカスした内容となっています。
非エンジニアがビルドエラーの原因を自己解決できるようにするために、AI エージェントを Slack App として提供することで、非エンジニアでも慣れた環境で利用できるようにしています。
Slack から与えられた目標に対して、「推論 → 計画 → 実行 → 評価」というループで自律的に解決するように実装することで、シンプルなプロンプトでもエラーの自己解決が可能なアプリケーションに落とし込めるよう工夫しました。
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
弊社では 900 以上のアプリをひとつのコードベースから作成しており、それらのアプリは Bitrise を用いてビルドしています。
ビルドの実行を支援する Slack App を利用して専門の申請チームがアプリのビルド作業を担当してくださっています。
ビルドに必要なアプリ固有の情報は管理画面から取得していますが、事前の情報登録が漏れていたり、App Store Connect API の変更や App Store Connect の障害によって予期せぬビルドエラーが発生することがあり、その度に iOS エンジニアにエスカレーションをいただくフローとなっていました。
意図していないビルドエラーを申請チームが自己解決できる状態を作ることはできないかと考え、非エンジニアでも利用しやすい Slack App として Bitrise MCP に接続した AI エージェントを導入しようと思ったのが背景です。
導入の成果
ビルドエラー時には JIRA のチケットと Slack にエラーログとビルド URL が自動でコメントされます。その URL をそのまま AI エージェントにメンションすることで、Bitrise MCP を通してエラーログを取得し、解決手段を回答してくれるようになりました。
より詳細については、Bitrise MCP と Atlassian MCP を接続した自律型の AI エージェントを実装して、非エンジニアによるビルドエラーの自己解決を支援する|Yappli Tech Blog をご覧ください。
導入時の苦労・悩み
非エンジニアの利用を想定していたということもあり、ネクストアクションが分からない回答を返さず、的確かつ要求を満たすような回答を得られる体験を実現するために、LangGraph における StateGraph の構築とプロンプトエンジニアリングは少し苦労しました。
自律性を持たせるための「推論 → 計画 → 実行 → 評価」のループを取り入れつつ、各プロンプトを調整しながら検証を繰り返して改良しました。
また、それらの各ノード間で共有する State はグラフの規模が大きくなるにつれて複雑化するため、State の設計も重要で、周辺知識の理解も難しかったです。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
導入時に満たさなければ行けなかった条件や求められた要件
正式に導入した時の課題解決インパクトや使用感、懸念や技術的な課題を洗い出すという前提での AI 活用の取り組みだったということもあり、プロトタイプとして導入した背景から特に満たすべき条件や要件はありませんでした。
活用方法
よく使う機能
ビルド
- 日々のアプリのビルドに利用しており、Slack App で提供されているビルド用のアプリを介してビルドジョブを実行することで、App Store Connect へのデリバリーまで行っています。
Bitrise MCP
- 主にビルドで失敗した原因の分析や成果物のダウンロード URL 取得を、MCP に接続した AI エージェントを介して利用しています。
ツールの良い点
- GUI で Workflow を実装できる
- 他の CI/CD ツール同様に yml 形式でバージョン管理も行える上に、視覚的にもわかりやすい。
- 最新の Xcode 対応
- モバイルに特化しているということもあり、他の CI/CD ツールと比較して最新の Xcode への対応が早い印象。開発環境アップデートのロードマップにも影響があるため、素早い対応は嬉しい。
- 新しい取り組みにも積極的
- MCP も早い段階でリリースされており、積極的なアップデートや改善の姿勢が伺える。
ツールの課題点
- 価格
- 直近でもコストがかなり上がり、一部のジョブを見直すことがあった。
ツールを検討されている方へ
モバイルで CI/CD を導入する場合は、まず候補に挙がるツールだと思います。
GUI で視覚的にワークフローを構築しやすかったり、他のツール同様に yml 形式でバージョン管理も行えます。
また、記事で紹介した AI エージェントについては、当初はフレームワークもそこまで種類はなかったこともあり、LangGraph を利用した実装を行いました。しかし今現在では ADK など GCP や Gemini との連携がしやすいフレームワークがリリースされていたり選択肢にも幅があるため、実現したい複雑度や周辺ツールとの相性を見ながら選択するのがいいと思います。
今後の展望
弊社の複雑なビルドに関わる各ジョブを分解し、Bitrise 含め AI による自律的なオーケストレーションが可能な環境を目指していきたいです。
株式会社ヤプリ / atsushi130
テックリード / テックリード / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 51名〜100名
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