STORES におけるCursorのユースケース ~ Devin, GitHub Copilot, Claude Codeとの併用

STORES株式会社 / soh
メンバー / セキュリティエンジニア / 従業員規模: 301名〜500名 / エンジニア組織: 101名〜300名
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
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Teams | 11名〜50名 | 2025年3月 | B to B |
利用プラン | Teams |
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ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
ツールの利用開始時期 | 2025年3月 |
事業形態 | B to B |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
以前よりGitHub Copilot Enterpriseを導入していましたが、実際の運用を進める中で、使いやすさの面で課題感を感じていました。
特に、当時登場していたCursorなどの新しいAIコーディングツールと比較した際に、自律的なコード生成や全体的なコンテキスト理解という点において、私たちが目指す「開発体験・生産性の飛躍的な向上」という目的を達成するには、まだ物足りなさが残る状況でした。
どのような状態を目指していたか
AIコーディングツールの市場は、日々新しいサービスが登場し、急速な変化を続けています。このような状況において、当社では「AIを積極的に活用しないこと自体が、事業上のリスクである」と考えています。
そのため、特定のツールのみの導入とするのではなく、その時々で最も開発の効率化やメンバーの創造性向上に貢献するツールを柔軟に採り入れていくことが重要だと判断しました。
上記の課題を解決するため、Cursorの導入を推進しました。
比較検討したサービス
- Cursor
- GitHub Copilot Enterprise (当時導入済み)
- Devin
- Cline
など
※2025年8月現在では、GitHub Copilot Enterprise, Devin, Claude Codeなども合わせて全社導入を行ったうえで利用しています
比較した軸
- 既存ツールに対する優位性に関する観点
- GitHub Copilotと比較して、より開発効率を上げることができるか
- リスク観点
- セキュリティ観点で懸念はないか
- 法務観点で懸念はないか
など
選定理由
- Tab補完の優秀さ
- より積極的かつ有効的な補完を提示する印象だった
- Agent (Composer) 機能
- 当時は他ツールと比較して自律性が高く、また、IDEに統合されたものであることから、開発体験に対する優位性があった
- SSO
- TeamsプランでもSSOが利用できるため、アカウント管理観点では導入障壁を下げる一因となった
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか・どのような成果が得られたか
導入の結果、エンジニアの開発体験は大きく向上し、導入後はGitHub Copilotを上回る数のメンバーがCursorを日常的に利用することとなりました。
また、具体的な成果として、Cursorを積極的に活用しているエンジニアのPull Request数が増加するなど、開発生産性の向上に直接繋がっていることが分かりました。
さらに、期待以上の効果として、プロダクトマネージャー(PdM)やビジネスサイドのメンバーにも利用が広がりました。Cursorを活用することで、社内ドキュメントの作成といった日常業務が効率化されただけでなく、プロダクトへの理解が深まり、自ら改善のためのPull Requestを提出するような動きも生まれています。
このように、今回の導入は定量的な指標と定性的な実感値の両面で、職種を問わず多くのメンバーの業務効率化に貢献できたと考えています。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
AI活用の戦略的な重要性は全社ですでに共有されており、また、上長自身もAI活用を推進する立場であったため、導入に向けたプロセスは非常にスムーズに進みました。初期導入における大きな障壁も特にありませんでした。
導入を具体的に進めるにあたっては、まずセキュリティチェックと法務レビューを実施しました。その結果を基に、どのような情報をAIに入力して良いかを整理しました。 (この時に検討した観点については、当社のプロダクトブログでも解説しています。)
AIサービス導入時にまずチェックすべき3つの観点 | STORES プロダクトブログ
こうした社内の協力体制と、先に述べた「開発体験が向上する」という具体的なメリットを提示したことで、関係者からのスムーズな合意形成に繋がりました。
活用方法
よく使う機能
- Tab補完
- Agent機能
ツールの良い点
- IDEに統合されていることで全体的な体験が比較的良い
- Tab補完が他のものに比べて有用
- プライバシーに関して比較的情報公開が行われている
- SSOが利用できる
ツールの課題点
- 2025年8月現在、他ツールに対する優位性が小さくなっている
今後の展望
AIコーディングツールを取り巻く環境は、現在も急速に変化しています。2025年8月現在、例えばGitHub CopilotはAgent Modeの実装やVSCodeへの統合強化を進めており、各ツールの機能的な優位性は常に変動しています。
また、Devinのような、より高度な自律性を持つAIエージェントや、Claude Codeといった新しいタイプのツールも次々と登場しており、社内でもこれらの利用が活発に行われています。
当社においても、DevinやClaude Codeの利用が増加するとともに、現状Cursorの利用率は当初より低下しGitHub CopilotとCursorの利用率が拮抗する結果となっています。
用途が被っているものも存在するものの、それぞれ得意分野や呼び出し方法、細かい機能差分があり、過渡期の現状においては併用できるように整備することで、ユーザーのユースケースに最も合致したツールを利用できるようにすることが重要であると考えています。
このような変化に対応するため、他サービスとの機能比較を継続的に行い、その時々で最も効果的なAI活用を推進していきたいと考えています。

STORES株式会社 / soh
メンバー / セキュリティエンジニア / 従業員規模: 301名〜500名 / エンジニア組織: 101名〜300名
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