ツクリンク株式会社のDevin導入事例

ツクリンク株式会社 / あっきー
EM / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 11名〜50名
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
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Team | 11名〜50名 | 2025年3月 | B to B |
利用プラン | Team |
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ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
ツールの利用開始時期 | 2025年3月 |
事業形態 | B to B |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入の背景
ツクリンクの開発組織では生産性を上げ、より早く高品質なプロダクトをユーザーさんにお届けすることを目指しています。
そのためには、開発生産性の向上とエンジニア採用が課題となっています。
採用難度の高まりを背景に、従来の人材採用に依存せず、ルーチン作業や単純実装を自律的にこなすAI開発エージェントのDevinを導入することで、開発リソースの補完を図るため導入をしました。
どのような状態を目指していたか
Devinは、設計から実装、デバッグ、PR作成までを自動化するため、エンジニア工数削減と開発リソースの増加を期待していました。
具体的には、開発チームの一員として1タスクをこなせるレベルでの活用を目指しています。
比較検討したサービス
- Cline
- Cursor
- GitHub Copilot
比較した軸
- 成果物の品質
- 削減できる工数
選定理由
ClineやCursorも導入しているため比較して、Devinが優れていたというわけではありませんが、Devinは自律的であるという点で優位性があると考えています。
具体的には、PCを開けない状況や、別作業をしている合間でも非同期で作業を進めてくれるため、他ツールとは違う土俵にいると認識しています。
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
まだ検証段階ではありますが、当初の課題に対して大きな成果は出せていないと感じています。 特に、開発チームの一員として参加してもらうところまでは検証できておらず、後述のような手離れの良い小さなタスクを主に任せています。
どのような成果が得られたか
.rubocop_todo.yml
のLint課題改善
Devinは1ヶ月弱で約40件の小規模な改善のPRを作成し、そのうち約30件がマージされました。これにより、これまで時間が取れずに後回しになっていた.rubocop_todo.yml
のLint課題解消などが進み、着実にコード品質が向上しています。
マージされていないPRについても、品質の問題ではなく、主にレビュー待ちの状態です。PRレビュー支援
DevinがPRの内容を理解し、コメントを付けることで、レビュー担当者の負担を軽減しています。
特に、DependabotによるライブラリアップデートのPRでは、変更内容の調査や現行アプリケーションへの影響分析といった定型作業の自動化に、大きな可能性が見えています。
また、コードレビューにおいても、Devinからの指摘や提案が取り込まれ、部分的にコード品質の向上に繋がるケースも出てきています。Featureトグルの削除
利用されなくなったFeatureトグルの削除作業もDevinに依頼しています。
関連するコード箇所の特定、条件分岐の削除、不要になった設定ファイルのクリーンアップといった一連の作業を指示し、PR作成まで自動で行うことを試みています。
導入時の苦労・悩み
セットアップに苦戦
現状、Devinのアップデートで分かりやすくなっていますが、導入当初は環境のセットアップが分かりづらかったです。別途ブログに書いていますが、 Install Dependencies
などの設定項目が複数あり、どこに何を書くのがベストなのか不明でした。
https://zenn.dev/tsukulink/articles/8d38b8cfd4f5f1#install-dependencies
ナレッジの管理
Devinがタスクを進める中で学んだことをナレッジとして保存して、次回以降のセッションで活用できます。単発のタスクで学んだナレッジの保存を提案されることもあるため、どういったナレッジを保持しておくべきか、しっかりと考えて整理することの難しさを感じました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
以下の観点で説明を行いました。
- 定形作業の自動化などによる開発生産性の向上
- 安価な開発リソースの確保
- Devinのナレッジ機能による情報蓄積により、オンボーディングや教育などへの活用も期待できる点
活用方法
主に以下のタスクを依頼しています。
- Lintの修正、Featureトグルの削除など手離れの良いタスク
- PRレビュー
- メンバーの作成したPR
- Dependabotが作成した脆弱性対応PRに対して、影響範囲やアップデート内容の要約作成
よく使う機能
- Slack、VS CodeからのSession実行
- Knowledge
ツールの良い点
- 自律型エージェントであること
- 独自の環境があり、Devin内で動作確認まで行える
- ナレッジを提案して蓄積できること
ツールの課題点
- 指示が曖昧だと意図しない挙動をしてしまい、コストが嵩む
- ナレッジがDevin内にしか蓄積されず、Cursor Rulesなどのファイル管理と情報が分かれてしまう
ツールを検討されている方へ
$20から利用できるプランが始まったため、手軽に試せるようになったと思います。 Devinが自走できる環境を作ることは、新入社員が早期に活躍できる準備をすることに似ています。Devinを継続して利用しないとしても、Devinのセットアップやナレッジを貯めることは今後の組織に役立つことかと思いますので、試してみることをオススメします。
今後の展望
現在は、手離れの良いタスクから依頼していました。今後は、依頼するタスクの難易度を上げていくなど、できる幅を広げていくとともに、その他AIツールと比較しながら継続利用の判断もしていければと考えています。
また、DevinのナレッジをCursor Rulesなどと並行して管理、整理していきたいと考えています。

ツクリンク株式会社 / あっきー
EM / 従業員規模: 101名〜300名 / エンジニア組織: 11名〜50名
タコスを作ったり開発組織のマネジメントをしたりしています。最近はコードより日本語を書いています。たまにRubyも書いています。
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