非IT企業の内製開発チームにGitHub Copilotを導入した背景と成果
東急株式会社 / Shingo Noguchi
テックリード / バックエンドエンジニア / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 51名〜100名
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
---|---|---|---|
GitHub Copilot Business | 11名〜50名 | 2023年6月 | B to C |
利用プラン | GitHub Copilot Business |
---|---|
ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
ツールの利用開始時期 | 2023年6月 |
事業形態 | B to C |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
URBAN HACKSでは個人的にGitHub Copilotを利用し、すでにメリットを実感しているエンジニアが多い状況でした。
また、東急全体としてもAIなどの新しい技術の導入に対して前向きで、東急の情報システム部門がChatGPTの活用方法を模索している状況でもありました。
総じてGitHub Copilotを導入しやすい状態にあり、これならばむしろ組織的に導入することで以下の効果が期待できると考えました。
- 開発生産性
- AIを活用し有意義な仕事に集中する時間を増やし、開発生産性を向上
- セキュリティ
- 外部へのデータ提供やライセンス侵害につながるコード出力をオプトアウトしセキュリティを向上
- エンジニア採用
- エンジニア採用シーンにおける東急の「お堅い」イメージの緩和
比較検討したサービス
なし
導入の成果
定性的ですが、「コード提案により開発のテンポが良くなり、本来やるべきことに費やせる時間が増えた」という声が多かったです。
Github Copilotに関する各種設定も組織全体で一括設定できるため、外部へのデータ提供をOFFにするなど、全体としてコントロールしたいことを簡単に適用できるようになりました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
正式導入までの大まかな流れは以下になります。
- 利用希望者アンケート
- お試し運用(6ヶ月)
- お試し運用の評価
- 正式運用
上長からは「みんなの利用したい声が多かったら試しに使ってみていいよ」と快諾いただいたため、お試し運用のハードルは全く無かったです。
利用希望者アンケート & お試し運用(6ヶ月)
まず初めにどのぐらい利用したいエンジニアがいるのかアンケートを取りました。
ほぼ100%のエンジニアから使いたいと回答をもらったため、まずはお試し運用を始めました。
お試し運用の評価 & 正式運用
2023年6月下旬から利用を開始し、9月末と12月末の2回に分けて評価をしました。
「GitHub Copilotを使用することで、1日あたりおおよそどれくらいの時間を節約できましたか?」という質問に対し、平均で1時間〜2時間という回答が多くありました。
エンジニアの人件費に対し$19/月で節約できる時間を考えると費用対効果は十分でしたので、2024年以降は正式に導入しています。
活用方法
よく使う機能
- コードの提案
- テストコードの雛型作成
- テスト用デモデータの作成
ツールの良い点
エンジニアのコーディング負荷の軽減
GitHub Copilotにコードを提案してもらうことでコーディングの負担を減らし、浮いた時間を別のことに充てられるようになりました。
特にプログラミング言語の中でお決まりの記述がある程度決まっている処理は、コードコメントでやりたいことを書けばかなり高い精度でコード生成してくれるため、確実に楽です。
(時にはコメントなしで欲しいコードを生成してくれることも)
また、関数を作る際にも適切なシグネチャを定義すれば、コードの文脈を読み取った上で比較的精度高く関数の中身を丸ごと提案してくれることもあります。
Github Copilot Chatで活用の幅を広げられる
例えばテストコードを生成したいとき、素のGithub Copilotはスタンダードなテストコードを生成することが多いです。
これをテーブルドリブンテスト形式にしたい場合、Github Copilot Chatに「テーブルドリブンテスト形式でテストコードを書いて」と依頼すればその形でコードを生成してくれます。
また、エラーの解消を手伝って欲しいときにエラーメッセージをそのまま貼り付ければ、解決方法とコードを提案してくれます。
このようにGithub Copilot Chatも利用することで、より活躍シーンを増やせます。
ツールの課題点
提案コードの妥当性を判断するスキルは必要
提案されたコードが誤っていたり、不慣れなプログラミング言語のため提案されたコードが評価できない、もしくは評価に時間がかかったりすることもあります。
しかし、AIが提示しても人が書いても妥当かを判断する必要性は変わりません。GitHub Copilotのみでなく有識者レビューや、人間2人 + GitHub Copilotで擬似的なモブプログラミング形式にするなど、コードの品質を上げる仕組みづくりは必要になります。
ツールを検討されている方へ
GitHub Copilotのない時代には戻れないと思わされるほどのツールです。 少人数から始めることも出来るので、まずは数人だけ導入して評価するといった形で小さく試してみるのはいかがでしょうか。
東急株式会社 / Shingo Noguchi
テックリード / バックエンドエンジニア / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 51名〜100名
よく見られているレビュー
東急株式会社 / Shingo Noguchi
テックリード / バックエンドエンジニア / 従業員規模: 1,001〜5,000名 / エンジニア組織: 51名〜100名
レビューしているツール
目次
- 導入の背景・解決したかった問題
- 活用方法