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BIツール・プロダクト分析ツール カオスマップ 2025年下期版
公開日 更新日

BIツール・プロダクト分析ツール カオスマップ 2025年下期版

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近年、企業の意思決定プロセスは大きく変化し、BIツールやプロダクト分析ツールは「あると便利」から「日々の業務に不可欠」へと進化しています。ダッシュボードの高度化や自然言語クエリの普及により、非エンジニアでも迅速にインサイトへ到達できる一方、データ基盤の複雑化やユーザー行動の多様化によって、選定・運用にはこれまで以上に専門性が求められるようになりました。

本カオスマップでは、こうした市場環境の変化と各ツールの位置づけをカテゴリごとに整理しました。自社の体制・データ基盤・分析ニーズに最適な選択肢を見つけるためのガイドとして活用いただければ幸いです。

本記事では、SaaSプロダクトの利用データを分析し、開発・改善に活かすためのBIツールを紹介しております。経営分析や営業管理を目的としたツール群はご紹介しておりません。予めご了承ください。

カオスマップ全体像

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本マップは2025年11月時点の公開情報をもとに作成しております。
掲載しているロゴ・商標等の取り扱いについて問題や懸念がございましたら、下記の窓口までご連絡くださいますようお願い申し上げます。
また、ロゴの掲載をご希望される場合も、お問い合わせいただけますと幸いです。

【お問い合わせ先】
ファインディ株式会社 BIツール・プロダクト分析ツール カオスマップ制作担当者
findy_tools@findy.co.jp

次のセクションからは各カテゴリの解説や選定・導入時のポイントをご紹介していきます。

BIツール

近年のBIツールは、単なる可視化基盤から「多様なデータに素早くアクセスし、事業判断につなげるための実行基盤」へと役割が広がっています。このセクションでは、「モダンBI」「ノートブック型BI」「自然言語クエリ対応BI」の3カテゴリに整理し、それぞれの特徴と代表的なツールを紹介していきます。

モダンBI

モダンBIは、事業部門からエンジニアリング組織まで幅広いユーザーが、共通のデータ基盤上で素早く分析を進めるための仕組みとして発展してきました。PdMやデータアナリストが日々の意思決定に活用する一方、データエンジニアや開発エンジニアにとっては基盤設計やガバナンスを見据えた選定が重要になる領域です。

近年は、セマンティックレイヤーによる指標定義の一元化、自然言語(NLQ)や生成AIとの連携、データガバナンス強化といったトレンドが顕著で、従来の“ただの可視化ツール”から「信頼できるメトリクス定義+AIによる対話的分析」へと進化しています。従来のトラディショナルBIと比べ、モダンBIはクラウドDWHとの親和性が高く、実行速度や運用効率、組織横断のコラボレーション性に優れている点が特徴です。


■ ツール選定時のポイント
モダンBIを選定する際には、「誰が」「何を」分析したいのかという現場の課題と、「どこに」データがあるのかという技術基盤の整合性が特に重要です。

  • セルフサービス性・学習コストの低さ:現場ユーザーが直感的に操作できるか、教育負荷を抑えられるか
  • パフォーマンス:大量データを扱う場合でも応答速度が確保され、リアルタイム分析にも耐えられるか
  • データガバナンスとセキュリティ:アクセス制御や権限管理、監査ログなどが要件に対応しているか
  • 分析の柔軟性・表現力:チャートやダッシュボード、カスタム指標等の対応力が、ニーズに合致するか
  • セマンティックレイヤー・指標管理:共通指標の定義を中央管理できるか、ツール間で一貫したメトリクスを提供できるか

■ このカテゴリのツール例
ツール特徴OSS / 商用導入難易度分析ユーザー難易度データモデルの思想データ接続方式
Tableauデータを視覚的に理解することを重視する市場牽引BIツール
Tableauページはこちら
商用ノーコード/ローコードUI中心自由探索型ハイブリッド接続
LookerLookMLで信頼性を保証し、AIを活用したAPIファーストのBIプラットフォーム
Lookerページはこちら
商用コードベースNLQ利用可能セマンティックレイヤーライブ接続
Looker Studio無償で利用でき、Googleデータソースに強い軽量可視化ツール
Looker Studioページはこちら
商用ノーコードUI中心自由探索型
LightdashdbtプロジェクトをBIプラットフォームに変換する開発者BI
Lightdashページはこちら
OSS / 商用コードベースコードの必要性セマンティックレイヤー
SupersetAirbnb発祥のモダンなオープンソースデータ探索プラットフォーム
Supersetページはこちら
OSSノーコード/ローコードUI中心 / SQLの必要性セマンティックレイヤー
Tinybird顧客向け分析機能をAPIで提供するリアルタイムプラットフォーム
Tinybirdページはこちら
商用コードベースNLQ利用可能ライブ接続

※ 各表は、Findy Tools編集部が各ツールベンダーの公式サイト等、公式に発信されている情報を元に再編集したものになります。注意深くまとめておりますが、もしお気づきの点等ございましたら、編集部までお問い合わせください。

ノートブック型BI

ノートブック型BIは、SQLやPythonなどのコードと、その実行結果(グラフ・表・テキスト)を一つのドキュメントで扱える点が特長で、探索→検証→共有までの流れを効率化したいチームに適しています。

データアナリストやデータサイエンティストが深い分析を行う際に使われる一方、PdMやエンジニアが検証プロセスに参加するケースも増えており、選定時には再現性・共同編集性・ワークフローとの親和性がポイントになります。


■ ツール選定時のポイント
コードベースの柔軟性と、BIツールの可視化・共有機能を融合させているため、選定時には「専門的な分析のしやすさ」と「チーム連携のしやすさ」のバランスを重視することが必要になります。

  • 計算環境の柔軟性:大規模データ処理や分散計算に対応できるか、クラウドやローカル環境の選択肢を確認
  • データ接続:多様なデータソースとの接続やETL/ELT機能が充実しているか、分析前のデータ準備の効率性を評価する
  • 分析再現性・共有:コードや結果の再現性が担保でき、チーム内での共同編集やレビューが容易に行えるか
  • ワークフロー親和性:既存のBIやデータパイプラインとの連携等で、運用負荷が低いかを確認
  • セルフサービス性・学習コスト:分析者以外のチームメンバーでも操作できるUIであるか

■ このカテゴリのツール例
ツール特徴OSS / 商用導入難易度分析ユーザー難易度データモデルの思想データ接続方式
ModeSQL/PythonノートブックとBIレポートを統合したモダンBIの中核
Modeページはこちら
商用ノーコードSQL/Python中心、UI/AI Assist利用可dbtセマンティックレイヤーとの統合を重視ハイブリッド接続
Hexコードとノーコードを融合し、高度な分析結果をアプリとして共有できる商用ローコードSQL/Python前提だが、AI (Agent) とノーコードセル利用可dbt/外部セマンティックレイヤーとの同期ハイブリッド接続
Deepnoteリアルタイム共同編集に特化したJupyter互換ノートブックOSS / 商用ローコードPython/SQL/Rに対応。AIによるコード生成・自律的分析支援セマンティックレイヤーライブ接続
EqualsDWHに直結した、行数制限のないスプレッドシート型GTM分析ツール商用ノーコードExcel/スプレッドシートスキルがあれば利用可能自由探索型ライブ接続
Countホワイトボード形式で分析の思考プロセスを可視化。商用ノーコードローコード/ノーコードセル利用可。SQL/Pythonも併用可能ネイティブセマンティックレイヤーハイブリッド接続
Observable圧倒的な閲覧パフォーマンスを持つデータ可視化/アプリ構築のためのOSS FrameworkOSS / 商用セルフホストJS/D3.js/SQL/Plotコードが必要。AIによるコードドラフト生成支援コードベース・パイプラインデータ抽出
Redashデータを理解するための人気のOSSプロジェクト
Redashページはこちら
OSSセルフホストSQL中心。強力なオンラインSQLエディタとDrag & Dropでの可視化ライブ接続が中心だがスケジュール実行も可能

自然言語クエリ対応BI

自然言語クエリ対応BIは、ユーザーが「売上の推移を教えて」「今週の離脱率は?」などの自然言語で分析指示を入力するだけでデータ探索ができるBIツールです。

複雑なダッシュボード操作やSQLスキルを前提としないため、分析・意思決定のスピードを劇的に向上させるツールとして注目されています。また、単なる検索機能に留まらず、セマンティックレイヤーによるメトリクス理解、対話型分析、要約生成を組み合わせたプロダクトが多く、データアナリストの工数削減にも寄与します。
一方で、データガバナンスが整っていない組織で導入すると誤解や誤回答が発生しやすいため、運用体制の整備が重要です。


■ ツール選定時のポイント
このカテゴリでは、AIと自然言語処理が中核となるため、「精度と理解力」および「データガバナンスとの両立」が選定の鍵となります。

  • セマンティック層の強度:メトリクスや指標の定義を中央管理できるか、意味の整合性が保たれるか
  • 複雑なクエリへの対応力:自然言語での質問が高度な集計や条件分岐にも正確に対応できるか
  • データガバナンス・セキュリティ:アクセス権やデータ整合性の管理が適切か、誤った解釈を防ぐ仕組みがあるか
  • ワークフロー・インサイト生成:既存のBIや分析フローと統合可能で、自動で洞察や要約を生成できる機能があるか
  • ハルシネーション対策:生成AIを採用しているツールは、SQL生成の精度・検証プロセスを確認する

■ このカテゴリのツール例
ツール特徴OSS / 商用導入難易度分析ユーザー難易度データモデルの思想データ接続方式
AnswerRocketエンタープライズ向けAIソリューション。対話型AIで深い洞察を自動化する商用ローコード対話型AI "Max" による自然言語分析が主体セマンティックレイヤーライブ接続
Tellius検索(NLQ)と自動診断AIを融合した次世代Decision Intelligence商用ローコード / 拡張型検索UI(NLQ)が中心だが、自動インサイトには統計的理解が有利セマンティックレイヤーハイブリッド接続
DiscernB2B SaaS特化の分析プラットフォーム。ARRなどのKPIを自動計算商用ノーコードSaaSメトリクスに特化したプリセットと専用チャットボット有りドメイン特化型固定モデルデータ抽出
CorralDataAI分析機能と人的サービスを統合し、データエンジニアリングを代替する商用ノーコードチャット中心のUI。エンジニアリングリソース不要マネージド・セマンティックレイヤーデータ抽出


プロダクト分析(アクセス解析含む)ツール

プロダクト分析ツールは、Webやアプリ上のユーザー行動を細かくトラッキングし、分析を通じてプロダクト改善の意思決定を支援する基盤です。

BIツールと異なり、ユーザー行動データの取得・分析・改善サイクルへの組み込みを目的としています。BIツールと併用することで、分析基盤と改善ループを一体的に運用できます。

近年はリアルタイム分析や自動インサイト生成(人間が質問する前に、「このセグメントでリテンション率が低下しているのは、特定の機能を使わなくなったことが原因です」のように、重要なインサイトをAIが自動で発見・提示する機能)、データ基盤との統合により、より予測的でインサイト発見の自動化へとシフトしています。


■ ツール選定時のポイント

  • トラッキング方式:SDK・自動キャプチャ・APIなど、取得方法の柔軟性と精度がプロダクト特性に適合するか
  • 分析機能の深さ・網羅性:ファネル、リテンション、ヒートマップ、コホートなど、改善に必須となる分析をどこまで網羅できるか
  • データ保存と統合:生データの保持期間や外部DWHとの連携可否、ワークフローへの組み込みやすさ
  • ガバナンス・プライバシー管理:PII取り扱いや匿名化処理、アクセス制御など、データ保護機能を備えているか

■ このカテゴリのツール例
ツール特徴OSS / 商用導入難易度分析ユーザー難易度トラッキング方式データ保持/統合方式
Google AnalyticsWebとアプリを統合分析するイベント駆動型のツール商用ローコード / SDKUI中心 / SQL利用可能クライアントサイド / 一部オートキャプチャSaaSホスティング型 / ウェアハウス連携
FullStory定量分析とセッションリプレイを統合したDXIツール。AI分析「StoryAI」搭載
FullStoryページはこちら
商用ローコードUI中心 / NLQ利用可能オートキャプチャ / クライアントサイドSaaSホスティング型
LogRocketBセッションリプレイ、エラー追跡、フロントエンド性能を融合。AI「Galileo」搭載
LogRocketページはこちら
商用ローコード / SDKUI中心 / NLQ利用可能オートキャプチャ / クライアントサイドSaaSホスティング型 / セルフホスト型
Amplitudeイベントベース分析の市場リーダー。高速クエリとウェアハウスネイティブ対応が特徴商用コードベース/SDKUI中心 / NLQ利用可能 / SQL・コードプレシジョン (手動) / SDK / サーバーサイド / 一部オートキャプチャSaaSホスティング型 / ウェアハウスネイティブ型


終わりに

本カオスマップでは、BIツールやプロダクト分析をカテゴリごとに整理し、それぞれの特徴や選定ポイントをまとめました。特定ツールを推奨するのではなく、自社の利用目的やフェーズに応じた現実的な選択の参考としてお役立ていただければ幸いです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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