社内マニュアルのAI化を目指してDifyを検証
株式会社L&E Group / 三杉彪流
メンバー / バックエンドエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 10名以下
利用プラン | ツールの利用規模 | 事業形態 |
---|---|---|
プロフェッショナル | 10名以下 | B to B |
利用プラン | プロフェッショナル |
---|---|
ツールの利用規模 | 10名以下 |
事業形態 | B to B |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
- 社内マニュアルに蓄積された情報に、より素早くアクセスできる形にしたい
- 古い情報を見つけても、その場で修正するのは面倒なため放置されがちだった
どのような状態を目指していたか
- Notionの社内マニュアルを一元的に質問・回答できるチャットボット
- チャット内の指示によってNotion(マニュアル本体)を更新する仕組み
- 多くの部署で(非エンジニア中心に)活用してもらいながら、改善していける環境
比較検討したサービス
- NotebookLM
- Dify セルフホスト版
- Claude Desktop(Notion MCP連携)
比較した軸
- 導入・展開の容易さ
- 非エンジニアが使いやすいか
- データ連携の手間(同期・更新作業)
選定理由
- インストール不要、ブラウザ完結であること
- ビジュアルエディタで直感的にワークフロー構築できること
- Notion プラグイン機能
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
プロトタイプとして動くものは完成しました。
・Notionマニュアルの内容に基づいたチャットでの質問応答は実現
・Notionページへの自動編集やコメント追加も実装できた
しかし、実務での活用を考えると、単一のデータソース(Notion)では効果が薄く、実際の導入には至りませんでした。
どのような成果が得られたか
実用的なシステムにするには、チャットワーク、Slack、kintone等も含めた横断検索が不可欠だと分かり、今後の方向性が明確になりました。
また、以下の技術的な学びを得ることができました。
- RAG構築のノウハウ(チャンク設定、ハイブリッド検索)
- 複数のノードを組み合わせたワークフロー設計
- プラグインを活用した外部連携の実装方法
導入時の苦労・悩み
データの自動同期が課題となり、n8nやMake、Zapierとの連携も検討しましたが、今回のプロトタイプ段階では開発コストを考慮して見送りました。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
他部署から「探しやすく、メンテナンスしやすい情報共有の仕組みを作れないか」という相談を受け、技術的な実現可能性を確認するため、プロトタイプを一旦試してみました。 その後、Notion以外のデータソース(チャットワーク、Slack、kintone等)も含めた統合的なナレッジベース構築をすることに要件が拡大し、現在は社内プロジェクトとして進行しています。現在は、より多くのデータソースに対応するため、要件を再定義すべく模索中です。
活用方法
実務での活用は見送りました。より実用的なシステムにするため、要件の再検討を進めています。
よく使う機能
チャットフロー ビジュアルエディタでノードをドラッグ&ドロップして対話型アプリケーションを構築。今回は8つのノードを組み合わせて、条件分岐やNotionページ更新を含むフローを実装しました。
ナレッジベース Notionから社内マニュアルを同期し、検索可能な知識ベースとして活用。デフォルトのチャンク設定で、質問に対して正しい回答を得られました。
ツールの良い点
直感的な操作性 ドラッグ&ドロップの直感的な操作により、エンジニア以外の部署でも抵抗なく使い始められます。システム導入後、自分たちでワークフローの改善ができる点が大きな利点だと考えています。
導入の手軽さ ブラウザだけで完結するため、全社に展開する際も、導入コストが低いです。
ツールの課題点
更新の自動反映 外部データソースの変更を自動反映する標準機能はなく、手動での同期が必要です。自動化にはn8nやZapierなどの外部ツールとの連携が必要になります。標準機能として自動同期が用意されていれば、より簡単にプロトタイプを構築できます。
UI/UX Claude DesktopやChatGPTと比べると、チャット体験としては劣る印象です。
ツールを検討されている方へ
小さくプロトタイプを作って検証してから拡張するのがお勧めです。クラウド版で素早く検証し、本格導入時にセルフホスト版へ移行するのが良さそうです。
今回の検証については、Zennの記事で詳しくまとめていますので、ぜひ参照ください。
今後の展望
今回の検証を踏まえ、Notion以外にもチャットワーク、Slack、kintoneなど複数のデータソースを統合したナレッジベース構築を検討しています。社内の情報を横断的に検索できる、実用的なシステムを目指します。
また、Difyで構築する場合は、導入後に他部署に向けてハンズオンを実施し、エンジニア以外でも自らアイデアを出してAIツールを立ち上げられる環境を目指します。ノーコードの強みを活かして、各部署が自由にAIを活用できるようにしていきたいです。
株式会社L&E Group / 三杉彪流
メンバー / バックエンドエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 10名以下
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