株式会社SapeetにおけるDifyの活用事例
株式会社Sapeet / 堀ノ内
メンバー / フルスタックエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
| 利用プラン | 利用機能 | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
|---|---|---|---|---|
セルフホスト版 | ワークフローの開発とワークフローのAPI呼び出し | 11名〜50名 | 2025年6月 | B to B |
| 利用プラン | セルフホスト版 |
|---|---|
| 利用機能 | ワークフローの開発とワークフローのAPI呼び出し |
| ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
| ツールの利用開始時期 | 2025年6月 |
| 事業形態 | B to B |
アーキテクチャ
アーキテクチャの意図・工夫
今回は定期的にDify上のワークフローを呼び出し、その結果をDBに保存、フロントエンドにてユーザが結果を閲覧できるというアプリを開発しました。EC2上にDifyをセルフホストし、それをLambda上で動作するPythonからAPI呼び出しするという構成です。PoCということもあり、コストをなるべく安く抑えるためLambdaやDynamoDBといったリソースを使用しています。
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
ツール導入前の課題
株式会社Sapeetのソリューション事業部では、受託開発の中で生成AIを活用する機会が増えており、当初はワークフローをPython+LangChainで構築していましたが下記のような課題がありました。
- 頻繁に発生するプロンプトやワークフローの修正に対して、都度コード修正とデプロイを行う必要があった
- 顧客と直接話す機会が多いプロジェクトマネージャ(以降PMと呼ぶ)の方がエンジニアよりも顧客課題を深く理解しているが、PMがプロンプトを閲覧したり修正することができない
どのような状態を目指していたか
- PMのような非エンジニアでもプロンプトやワークフローを閲覧し簡単に修正できる
- 顧客のニーズに合わせ素早く改善のサイクルを回すことができる
比較した軸
- プロンプトやワークフローの変更容易性
- Pythonのコードとの連携
- 運用コスト
選定理由
- ノーコードツールであるため、エンジニア以外がプロンプトやワークフローの修正をGUI上で簡単に行える点
- API呼び出し機能を使うことでPythonのコードと連携できる点
- セルフホスト運用により安定した動作と低コストを実現できた点(ミニマム構成だとAWS上で月額約30USD)
- 構造化出力/コスト取得/ワークフローエクスポートといった開発の実務に即した機能が備わっていた点
導入の成果
改善したかった課題はどれくらい解決されたか
- 変更の度にPythonのコードを修正する必要がなくなり、修正やデプロイ工数を削減
- PMもDify上で設定を直接変更でき、開発スピードと柔軟性が向上
どのような成果が得られたか
- 顧客の要望をスピーディに反映し改善を繰り返すことで、結果的に顧客にマッチしたサービスとなり、喜びの声を頂けた
- 顧客にプロンプトを確認してもらったり、Pythonのコードと結合する前にDify上のワークフローを使ってもらうことで、開発内容に納得頂きながらプロジェクトを進めることができた
導入時の苦労・悩み
導入初期はクラウド版を使っていたが、PythonからのAPI呼び出し時にCloudflareによるアクセスブロックが発生したり、ワークフローの実行が失敗(おそらくサーバ側の負荷によるもの)することがあり、挙動が不安定であった。そのため、セルフホスト版を検討し、これらの不安定な挙動が改善されることを確認した。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
- PMもワークフローの改善に加わることによる開発スピードと提供価値の向上
- セルフホストするにあたりクラウド版と同等以下の運用コスト
活用方法
- 2~3名程度のチームでワークフローの開発
- 顧客に向けてリリースしたアプリ上から毎日数十回のワークフローAPI呼び出し
よく使う機能
- GUI上でのワークフロー構築
- ワークフローエクスポート
- PythonからのAPI呼び出し
- 構造化出力
- コスト集計
ツールの良い点
- ノーコードでワークフローを構築できる
- Pythonとの連携が容易で、Difyだけで実現できないシステムにも組み込みやすい
- 構造化出力やコスト情報の取得が可能
- セルフホストにより安定稼働・低コスト運用が可能
ツールの課題点
- Dify単体では複雑なUIやロジックを実装しづらい
- クラウド版利用時は安定性に課題あり
- GUI操作が中心のため変更履歴の追跡が難しく、Gitなどの管理ツールを併用することが望ましい
ツールを検討されている方へ
Difyは特にPoC案件にて生成AIを活用したサービスをスピーディに構築したい場合に非常に有効なツールです。生成AIを用いたサービス開発においてはプロンプト、ワークフローやモデルの変更が頻繁に発生しますが、これらに柔軟に対応することができます。 ノーコードツールであるためDify単体では複雑なUIやロジックの実装が難しいものの、Pythonと組み合わせることでより高度なシステムを構築できます。また、セルフホスト構成を採用することで、安定性やコストを考慮しながら運用することが可能です。
今後の展望
- 他案件への横展開と開発効率化推進
株式会社Sapeet / 堀ノ内
メンバー / フルスタックエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
よく見られているレビュー
株式会社Sapeet / 堀ノ内
メンバー / フルスタックエンジニア / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
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目次
- アーキテクチャ
- 導入の背景・解決したかった問題
- 活用方法

