生成AIを活用してプロダクト開発を加速させる、GitHub Copilot の導入提案と組織浸透
株式会社ハウテレビジョン / Nemoto Masaya
チームリーダー / EM / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
利用プラン | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 |
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Copilot Business | 11名〜50名 | 2023年9月 |
利用プラン | Copilot Business |
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ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
ツールの利用開始時期 | 2023年9月 |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
プロダクトを成長させるためには、実現したいことがたくさん存在します。そこにエンジニアとして取り組む上で一番多くの時間を占めるのが、コーディングです。そこで、コーディング作業の効率化に真っ先に着手しました。そのアプローチの一つとして、生成AIの活用がインパクトが大きいと考えました。
GitHub Copilotの導入以前は、社内でコーディングに生成AIを上手く活用できている人とできていない人に分かれている、個人ごとにGitHub Copilotや生成AI系のツールを使用する場合、ソースコードの漏洩などプライバシー面での統制が取りづらいなどの複数の課題があり、全社での導入を検討しました。
比較検討したサービス
- Tabnine
比較した軸
- サービスの信頼性(利用実績)
選定理由
ハウテレビジョンの場合、
- 元々GitHubをメインの開発ツールとして活用しており、実績から信頼性の高いサービスが期待できること
- エディターもVSCodeやGolandなど元々GitHub Copilotに対応したエディタを全員が使っていた
という理由からGitHub Copilotを選択しました。
導入の成果
組織全体としてどう変化したかの指標が計測できていないため、定量的に改善できたとは言い難いです。Findy Team+などの開発生産性指標を可視化する仕組みを事前に用意しておくことで、より前後の変化を可視化べきであり、まずはコード提案の受け入れ率を可視化するためにGitHub Enterpriseプランへの移行を進めています。
定性的には、エンジニアにアンケートをとった結果、全員がGitHub Copilotを活用できていると感じており、特に後述の”よく使う機能”に関して使用がやめられないと感じている人が多かったです。
導入時の苦労・悩み
- 導入効果の説明の観点で、GitHub Teamプランでは、最後にCopilotを利用した日時しか確認することができず、Enterpiseプランを契約していないとコード提案の受け入れ率を確認することができないこと
- GitHub Copilotの使い方に慣れてないメンバーに浸透させること
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
以下のような計算から、GitHub Copilot Businessの費用と導入効果に相当する人件費を比較すると、50倍〜100倍もの違いがあるため、GitHub Copilotを導入すべきであると説明しました。
- GitHub Copilot Businessの費用
一人当たりの価格は$19/月で、約 2,660 円/月、約 32,000 円/年であるから、10人分の年間コストは32万円です。(計算のわかりやすさのために、10人で計算しています。)
2. Copilotの導入効果に相当する人件費
GitHubの実験結果によると、GitHub Copilotの使用によりコーディング速度が1.5倍になります。この生産性の向上をGitHub Copilotを導入せずに人員増加で補おうとすると、単純に考えて5人増員する必要があります。また、保守的に見積もって1.2倍になったとしても、2人の増員が必要となります。
したがって、エンジニア一人の年間人件費を800万円とすると、Github Copilotの導入によりコーディング速度が1.5倍になるとすれば、それは人件費4000万円に相当します。さらに控えめに1.2倍になると見積もっても、人件費1600万円に相当します。
詳細はブログ(新卒エンジニアがGitHub Copilot Business導入に挑戦した話とそこから学んだこと) に記載しているので、よろしければご覧ください。
活用方法
日常的にコーディングで使用しています。
よく使う機能
- 複雑な既存実装のコードリーディング
- 特にGo言語など似たパターンのコードを自動で生成してもらうこと
- ユニットテストの必要最低限のケースを生成してもらうこと
ツールの良い点
- レスポンス速度を高速にするためのシステムプロンプトなどコーディングに最適化されたチューニングが行われている
- VSCodeとの連携が充実しており、Chat機能やコードの説明・ユニットテスト作成などがUIから一つの画面で実行できる点
ツールの課題点
- コード提案の受け入れ率を可視化することは、導入効果を定量的に証明するために重要性が高いと考えているが、GitHub Enterpiseプランでないと2024年3月時点ではCopilot Usage API を利用できない
ツールを検討されている方へ
決裁権のない立場から提案する上では、導入効果を定量的に示す重要度が高いため、導入を行う前に実際の導入効果の指標を考えておいた方が良いです。
また、生成AIの話題は進化が早く、今回の導入検討時期である2023年8月から半年でいろいろな情報のアップデートがあります。例えば、Claude3などの高性能なモデルの登場やCursorなど生成AIを活用するためのツールが登場しました。そのため、継続的な最新情報のキャッチアップが必要です。
株式会社ハウテレビジョン / Nemoto Masaya
チームリーダー / EM / 従業員規模: 51名〜100名 / エンジニア組織: 11名〜50名
2023年4月よりハウテレビジョンに新卒エンジニアとして入社し、外資就活エンジニアリングチームでソフトウェアエンジニアをしている。2023年11月より、同チームのマネージャーをしている。
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