WEDにおけるDevinの活用事例
WED株式会社 / broccoli1002
メンバー / バックエンドエンジニア
利用プラン | 利用機能 | ツールの利用規模 | ツールの利用開始時期 | 事業形態 |
---|---|---|---|---|
Team | AIチャット | 11名〜50名 | 2025年2月 | B to B B to C |
利用プラン | Team |
---|---|
利用機能 | AIチャット |
ツールの利用規模 | 11名〜50名 |
ツールの利用開始時期 | 2025年2月 |
事業形態 | B to B B to C |
導入の背景・解決したかった問題
導入背景
導入前に感じていた課題
私たちのチームでは、当初GitHub Copilotのみを生成AIとして導入していました。 世の中には他にも様々なAIツールが存在していることは認識していたものの、実際に試す機会は少なく、「もっと活用できるのでは?」という思いが常にありました。
「他の生成AIツールも使ってみたい」「より開発効率を上げたい」という想いから、社内での新たなツール導入を検討しはじめました。
目指していた姿
当時のGitHub Copilotは、基本的に「質問に答える」ことが主な使い方でした。 しかし私たちが理想としていたのは、それ以上の活用です。たとえば以下のようなシーンを想定していました。
- リポジトリ全体を読み込んだうえでの調査
- 簡易なタスクの自動実行
- 質問に対する、より精度の高い回答
単なる補助的なツールではなく、開発パートナーとして活躍してくれるAIを目指し、次の一手を模索していくことになりました。
比較検討したサービス
- Cline
- Cursor
- Claude Code
比較した軸
当時(2025/01頃)のGitHub Copilotは「質問に答える」ことはできるものの、それにとどまっていました。 私たちは、AIがより積極的にコードを生成したり、簡易なタスクを自動で処理してくれるような活用方法を求めていました。
選定理由
自律的にタスクを実行できるAIとして注目されていたことに加え、Slackとの連携が可能である点も魅力的でした。
導入の成果
課題はどれくらい解決されたか
導入当初の目的であった「開発効率の向上」という観点では、改善が見られました。 一方で、応答速度の遅さが課題として残っており、ラリー形式でのやり取りや設計の壁打ちといった、テンポを重視する作業には適さない場面もありました
導入によって得られた成果
想定していた以上に開発者の領域横断的な調査がしやすくなったことは、大きな成果のひとつです。 たとえば、サーバーエンジニアがiOSアプリのコードを確認したり、データエンジニアがサーバー側の処理を把握したりと、専門領域を越えた調査や対応がスムーズに行えるようになりました。
さらに、当初は想定していなかった非エンジニアの活用も広がっています。 プロダクトマネージャーがサーバー仕様を調べたり、カスタマーサポート部門がユーザー問い合わせに応じてデータを集計・簡易分析したりと、自律的な調査・対応が自然と生まれつつあります。
また、懸念されていたACU上限も問題なく推移しているため、段階的に利用メンバーを拡大し、現在ではエンジニア全員および希望者に向けて開放しています。
導入時の苦労・悩み
比較検討した複数のツールの中で、今回導入したAIツールは最もコストが高い点が懸念材料でした。 そのため、まずは2ヶ月のトライアル期間を設け、使用感を確認したうえで本格導入の可否を判断する方針としました。
また、当初はACU(使用量)を正確に把握できていなかったため、予想以上にリソースを消費してしまうリスクも考慮しました。 これを踏まえ、初期段階では利用部門を一部署のみに制限する形で運用を開始しました。
加えて、セキュリティ面の懸念にも対応する必要がありました。 具体的には、Devinに追加するリポジトリに関しては、情シス部門による事前承認を必須とする運用ルールを設け、安全性を確保しています。
導入に向けた社内への説明
上長・チームへの説明
「導入時に苦労した点や悩み」にも記載した通り、今回導入したツールは他と比較して金額が高いという点がネックとなりました。 そのため、まずは2ヶ月間のトライアル期間を設けることで、導入判断に必要な検証を行うことにしました。
トライアル終了後は、使用感に基づいたレポートを作成・共有することを前提に、継続利用の可否を判断するという形で社内合意を得ています。
活用方法
Devinとのやり取り専用のSlackチャンネルを社内に設け、基本的にはそのチャンネル内でメンバーがDevinとの対話を行う運用としています。 複数人でやり取りを共有できるため、他のメンバーの活用方法を参考にできるというメリットもありました。
現状では、ACUはちょうど使い切る程度の利用量となっています。 今後の利用状況を見ながら、必要に応じてACU数の調整や運用方針の見直しを行っていく予定です。
よく使う機能
- SlackやDashboardからのタスク依頼
日々の業務では、Slack上からDevinにタスクを依頼することが多く、スムーズにやり取りできる点が好評です。また、DevinのDashboardからも直接タスクを登録・管理できるため、そちらも利用しています。
- Knowledge機能によるコンテキスト補完
「Knowledge」として登録しておくことで、Devinがより適切な回答をしてくれるようになります。 過去の仕様やルールなどを補足するのに非常に有効です。基本は全員アクセプトしています。 「Knowledge」はOFFにもできるのですが、まだそこまで使い分けはできておりません。
- Devin Wikiによる仕様確認
各リポジトリに自動生成されたWikiページでは、構造や主要機能が整理されており、プロジェクトの概要把握に役立っています。
- Devin Searchによるコード検索
複数リポジトリを横断してコードを検索できる機能も重宝しています。 知りたい関数や処理の実装箇所を素早く探し出せるため、調査やレビューの効率が上がりました。
ツールの良い点
- エンジニアは、調査やテストコードの記述など、比較的シンプルなタスクをDevinに依頼することで、開発スピードを向上させることができます。
- エンジニア以外の職種のメンバーも、専門的な知識がなくても気軽に開発や技術調査を依頼できるため、チーム全体の生産性が向上しました。
ツールの課題点
- コスト面でのハードルがある
他のツールと比較して利用料金が高めであり、導入時にはコスト対効果の見極めが必要でした。
- 応答速度にやや課題がある
タスクの内容によっては、レスポンスに時間がかかることがあり、作業には不向きなケースも見られました。
ツールを検討されている方へ
「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、やはり実際に触れてみることをおすすめします。 Devinのような自律型AIツールは、ツール単体の性能だけでなく、「その組織がどのように開発を進めたいか」によって効果の出方が大きく左右されると感じています。
また、他のツールと比べてコストが高めであるため、まずは評価期間を設定し、実際のプロジェクトに活用してみる中で、自社にとって価値を生み出せるかどうか、組織にフィットするかどうかを見極めるのが良いと思います。
今後の展望
現在、開発者が設計や実装時にラリー(壁打ち)ができるようなツールの導入も検討しています。 Devinについては、引き続き活用していく方針です。タスクの自動化や非エンジニア層の活用など、引き続き組織全体で効果を最大化できるよう取り組んでいきます。
WED株式会社 / broccoli1002
メンバー / バックエンドエンジニア
よく見られているレビュー
WED株式会社 / broccoli1002
メンバー / バックエンドエンジニア